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母さんは近所の人がコソコソ噂話をするようになって
家から出れなくなって行った。
父親も仕事場の身内内では変化はなかったものの、
取引先や外部からの目に耐えられなかった上司から
事務職への移動を命じられ実質減給。
父親自身も耐えきれなくなって、
母さんへのろくな相談もなしに離婚届突き付けて
いつの間にか居なくなっていた。
姉貴や義兄さんは苗字は違うし
当時は近くに住んでいなかったものの、
姉貴を知ってる人が言いふらしまくり転職。
義兄さんに変化は無かったものの、
1年生になったばかり彩春のケアに必死で窶れていた。
引っ越し後、職場から近いアパートに移るまでは、
隣に住む姪が躓かないように
姉貴達の代わりになることもあって
「男の子たちがこわいだけ」
『女の子たちは？』
「なかよしだよ」
『深く狭くでいいんだよ、友達は。無理すんなな？』
俺は俺で
『…なあ、学食行かね……？』
「うん、ちょっとまってね……よしじゃあ」
「おい、サークルの集まり忘れんなよ」
「あ、そうだった……ごめんね翔太くん、また今度」
『ん……おけ』
高身長のやつは
何も変わらず話してくれようとしてたけど
周りはそんな事させてくれなくて、
俺が話しかける度に高身長と同レベルの
頭脳の奴らが声をかけてくるようになっていった。
「お前あの大学院行くならあんなのとつるむなって…」
「あいつは悪くなくても、印象っつうのがあるだろ…」
かすかに聞こえたそんな会話で俺は大学構内で孤立した。
沢山居た友人が1人残らず周りから居なくなって、
1人で講義受けて飯食って、
もともと入ってなかったサークルは
入らなくてよかったと思うようになって。
卒業出来た後もいい所に就職なんて出来なくて、
高卒も取るような工場勤務に。
残業も作業も文句ひとつ言わずにこなして、
もらった給料は払われる慰謝料の足しにしてもらう生活。
社員証ぶら下げて同期と財布片手に社員食堂に行く。
多少の努力で出来そうなことが、俺は出来なくなった。
『誰がそんな生活に戻りてぇんだっつうの……』
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chirua(プロフ) - ！さん» ご感想頂きありがとうございます、とても嬉しく光栄です。今後ともどうぞよろしくお願いします (11月3日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
！(プロフ) - 久しぶりにこのサイトでとても引きこまれる作品を読みました。彼が少しでも幸せだなと思える日が来ることを願っています。次回も楽しみにしております。 (11月2日 23時) (レス) id: 50e233f32f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chirua | 作成日時：2023年10月10日 17時
