- ページ24
-
「翔太〜今日夜外食しね？」
『無理しないでいいよ、なんか俺作るし』
「ちげえって、大学の親友から誕プレで貰ってたクーポン切れそうなの。ひとりじゃ使い切れないし行こ」
『どうせなら親友さんと行けばいいのに』
「……あいつは今頃好きな子と一緒にだろうし、慰め付き合ってよ」
『はあ？…………まあいいけど』
ずーっと、あん時の俺の行動が引っ掛かってる。
背中を押された俺が姪を助けていたあのシーン、
どこかで見たことがある気がして。
注文を終えて野郎2人、顔をつき合せる。
『てか、親友女に取られてやさぐれてんの？』
「え？」
『慰めろって言うから』
俺が誰かを助けたのか、
誰かが誰かを助けたのか分からないけど、
忘れちゃダメだなって覚えていたものだったと
記憶の中の概要欄に書いてあるような。
「まあ翔太なら話してもいいかな〜」
『もったいぶんな気持ち悪い』
「親友の好きな子が俺の好きな子で、俺の好きな子が好きなのは親友なのよ、あー複雑〜」
『じゃあふっかが好きな女と親友両思いじゃん』
「女って言うな」
『聞く感じカレカノじゃねぇみたいだけど、確実なの』
「親友の好きな人に対する態度なんて辰哉さんにかかれば朝飯前よ。……あの子は、普通にあいつに懐いてるし、な」
……こんな感じの、ちょっと切ないような
でももどかしくてなんでだよ！みたいな
感情になるような、そんな記憶。
俺自信に対して、何やってんだよって感じたようなやつ
運ばれてきたラーメンの具をちまちまと摘む。
「女の子に困ったこと無かったんだけどなあ」
『きしょ』
「わあ凄い、ゴミを見る目〜」
俺の器の中にいる焼豚を何食わぬ顔して自分の皿に誘拐して行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chirua(プロフ) - ！さん» ご感想頂きありがとうございます、とても嬉しく光栄です。今後ともどうぞよろしくお願いします (11月3日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
！(プロフ) - 久しぶりにこのサイトでとても引きこまれる作品を読みました。彼が少しでも幸せだなと思える日が来ることを願っています。次回も楽しみにしております。 (11月2日 23時) (レス) id: 50e233f32f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chirua | 作成日時：2023年10月10日 17時
