発見、躊躇、迷走 ページ21
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「んもー翔太はあー！」
「ん、めっ！」
「ほんとすみませんした」
「どうせ自分で入りに行ったんでしょ？ごめんね翔太くん、服汚しちゃって」
何事もなく帰宅していく俺らと、
俺らを見送ったあと満足そうに
部屋に戻っていくアイツの姿を確認して俺も部屋に戻った。
結局何も出来ずに1日終わってしまった。
「さっき何したの？」
さっきと言うのは俺の背中を俺が押した時の事で、
あの後急いで隠れてふっかを引き摺りながら
更に塀の裏に隠れた。
『大学生の俺の背中思いっきり押した』
「すげえな、よく見つかんなかったね」
『姪っ子の命には変えらんなくね？』
「ふーん、じゃあ翔太が助けてなかったら怪我してたか最悪死んでたの？」
『まあ……』
あの時俺が助けてなかったら怪我してたかもって、
今の俺があの場に居て背中押したから
前の俺は気がついた訳で。
じゃあ過去の俺はあん時どうやって彩春のことを助けた？
助けた訳じゃなく、ただ運良く怪我も何もしなかっただけ？
過去の俺もああやって助けられてたんだとしたら？
『頭まわんねぇや』
「そういえばさ、翔太そっち行ってる時の叔父さん達の話はいいの」
『なに、覚えてんの？』
「一応」
あの通帳は上げるのではなく返すのだという言い分に
渋々受け取った姉貴夫婦は、
金の出処がどうしても気になって聞いたようで。
すると、
姉貴と俺の学費で貯めていたが佳恵に渡し損ねた分と
今後出来る又姪や又甥の為に貯め続けたものと。
「翔太の学費も勝手に振り込んだら佳恵に怒られたけど、足しにはしてるはず。いいから使え。って言ってた。
なんか、翔太から聞いたり近所で見てるような人じゃない1面でびびった」
『俺も知らなかったよ』
「だろうなぁ、にしても翔太のお姉さんめっちゃ美人だった」
『既婚だぞ』
「知っとるわい」
姉貴があの事故があった時から一切叔父のことを
酷く悪く言うようなことが無かった意味がやっと分かった。
なんて事をしてくれたんだとか言ってた覚えはあるけど、
俺みたいにクソ野郎とかアホとか
暴言をぶちまけたことはひとつもなかった。
どれもこれも金銭を工面してくれていた
感謝が残っていたから。
なんかこれじゃ、家族のため自分のためとか言って
アイツを殺そうとしてる俺が1番の悪者じゃねぇか。
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chirua(プロフ) - ！さん» ご感想頂きありがとうございます、とても嬉しく光栄です。今後ともどうぞよろしくお願いします (11月3日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
！(プロフ) - 久しぶりにこのサイトでとても引きこまれる作品を読みました。彼が少しでも幸せだなと思える日が来ることを願っています。次回も楽しみにしております。 (11月2日 23時) (レス) id: 50e233f32f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chirua | 作成日時：2023年10月10日 17時
