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俺は酒が嫌いだ。
20歳になってすぐ友人達と嗜んだことはあるが、
ここ最近は缶ビール1本どころか、数滴も飲んでいない。
あんなものに金を出して
消費をする人間の気持ちがわからない。
「今度部長が希望する人集めて飲み会するらしいんだけど渡辺さんどうする？」
『俺超下戸なんで……申し訳ないっす』
下戸なんて大嘘。
酒が飲めるようになってから散々飲んでいたが
吐いたことすらない、言わば酒豪。
でもあの時から酒は目にも入れたく無くなった。
酒に呑まれた哀れな人間を、俺は見ているから。
『母さん』
「あら、おかえり」
『ただいま。今日休みで暇だから来てみた』
「ほんとお姉ちゃんと一緒ですーぐ帰ってくるのね」
『まあな。……これ』
「もう……本当に大丈夫って言ってるでしょ？」
『だったら母さんの好きなように使えよ、そのために渡してんだし』
「本当にうちの子達はねぇ……ありがとう」
一人暮らしをしているが母の元にたまに帰る。
姉貴が隣の家に住んでいるから
別に俺が見に来る事ないんだけど
たった1人住むには少し広い家と、
55歳という年齢に比べて
ほんの少し老け込んだ母を見ていると気になってしまう。
帰る度に給料の端くれを封筒に入れて母に渡すが
全てが母に使われる訳ではなく、
1部は人様に払う為に使われる。
現役で働く母の給料の1部やボーナスもそうだ。
どれもこれもアイツが……
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chirua(プロフ) - ！さん» ご感想頂きありがとうございます、とても嬉しく光栄です。今後ともどうぞよろしくお願いします (11月3日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
！(プロフ) - 久しぶりにこのサイトでとても引きこまれる作品を読みました。彼が少しでも幸せだなと思える日が来ることを願っています。次回も楽しみにしております。 (11月2日 23時) (レス) id: 50e233f32f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chirua | 作成日時：2023年10月10日 17時
