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『桜見てぇな』
ずるずる歩いてたら
いつの間にか元自宅の方に寄ってきてしまっていて、
近くの公園で足を止めた。
毎年綺麗だったんだよ、ここの桜
事故があってから近所の目も痛くて、
まあまあ離れた場所に移り住んでからは
見に来ることも無くなっていた
'お前のことまじ抜かしてやっからな！！'
'しょっぴーには無理だよ〜'
聞き覚えのある声に咄嗟に身を隠す。
「今に見てろよ、牛乳飲みまくってんだから」
「大学生でそれ言ってるの？」
「うっせ」
2人組の大学生をこっそり見送ってから背中を眺めた。
この世界にいる、正しい大学生の俺。
俺の隣を歩いてる高身長のやつ、名前なんて言ったっけ。
確かイツメンとかでつるんでる中の1番頭良くて、
勉強教えてもらう程仲良くて……
次の年には話す事すら無くなっていた気がするけれど。
感傷に浸れば浸るほど、
心が荒んでいくように感じてその場で踵を返した。
名前すら思い出せない友人と、
心の奥深くにあったアイツとの思い出と、
懐かしい風景と。
お涙頂戴のシーンにまんまとはめられてしまったのか、
行先の視界を滲ませながら居候する場所に帰った。
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chirua(プロフ) - ！さん» ご感想頂きありがとうございます、とても嬉しく光栄です。今後ともどうぞよろしくお願いします (11月3日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
！(プロフ) - 久しぶりにこのサイトでとても引きこまれる作品を読みました。彼が少しでも幸せだなと思える日が来ることを願っています。次回も楽しみにしております。 (11月2日 23時) (レス) id: 50e233f32f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chirua | 作成日時：2023年10月10日 17時
