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ふっかに羽交い締めにされるなんて
後にも先にもあれっきりにしなきゃと思って、
ふっかのいない時間頭冷やす意味も込めて
少し外に出る事にした。
もちろん服は全部借りた。
見慣れてるけど少し懐かしい風景を見回しながら歩く。
元々叔父の住んでいたアパートと
元実家はそこまで離れてる訳じゃなくて、
車で15分も走れば着くような場所だった。
元より車に乗って揺られてるだけだった俺は
道順なんて知らなかったけど。
本当は……
行くたびに、お!来たか!と
頭を撫でてくれるのが小さい頃は大好きだった。
翔と呼んでくれるのが好きだった。
今ではアイツ呼ばわりだし殺したいくらい憎んでいるけど、
姉貴も俺も平等に扱ってくれたのが嬉しかった。
『親父が男のクセにスキンケアばっかりとか言うんだよ』
「だから翔の肌綺麗なのか」
『汚ぇよ、ニキビ跡えぐい』
「それ習慣ずけとけば治るだろ〜、良いじゃねぇか、男が女の真似したってよ」
中一の時、姉貴から承諾得て借りてた化粧水に
ケチつけられた時だってアイツは肯定してくれたし、
誰を下げる事もしなかった。
でもどうしても酒を飲む姿は苦手というか嫌いで、
事故後は大嫌いになった。
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chirua(プロフ) - !さん» ご感想頂きありがとうございます、とても嬉しく光栄です。今後ともどうぞよろしくお願いします (11月3日 16時) (レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
!(プロフ) - 久しぶりにこのサイトでとても引きこまれる作品を読みました。彼が少しでも幸せだなと思える日が来ることを願っています。次回も楽しみにしております。 (11月2日 23時) (レス) id: 50e233f32f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chirua | 作成日時:2023年10月10日 17時