- ページ10
-
そして初めての休日。
めずらしく私が起きても隣には彼がいた。
休日だからと完結させて朝ごはんを作るべく
まずは身支度を整えた。
洗面台に並んだ２つの歯ブラシ。
自分の部屋ではもう見慣れた光景で、
忙しない毎日の中で当たり前にあったものが
どこか少し崩れ去っている。
『……フレンチトーストならいいかな』
目玉焼きに、とも思ったけど
今度辰哉くんに作りたいと思っていたから
その練習を兼ねることにした。
いや、練習台にしてしまえと思っただけ。
少し味気ないプレートに昨日調達した
バナナを切っておしゃれに並べてみる。
ミントでもあれば完璧だったかもと小首を傾げた
「おはよう、」
『わっ』
「美味しそうだね」
『おはよう…今、できたところ』
「そっかありがと」
彼が起きたことに気が付かずに
盛り付けをしていた所に腰に手を回してきた。
固まる私をよそに頭をぽんっとして飲み物を汲みに行った
今は仮にでも彼氏彼女、
変な反応をすればなにかに触れるかもしれないから
平常心を。
そう思っていたのに今日の亮平くんは
いつも以上に距離が近くて対応に困る。
皿を洗ってる時も拭く時も
バックハグのまま離れてくれないし、
ソファーに座った時もぴったりと隣に並んでいた。
それでいて日常会話をされてたじたじになる
「そうなんだよね〜…………。A、今日ちょっと様子おかしいね」
『そう、かな』
「久々に2人きりだもんね」
その言葉になぜか強く引っかかった。
正確には声色か仕草か、何かが変化した気配がした。
「ふっかと付き合ってる時さ、そういうことしたの」
『どうしたの突然』
「やっぱりするよね、付き合ってたんだもん」
'付き合ってた'
妙に強調される言葉に酷い引っ掛かりを覚える
『過去形…』
「今Aは俺の彼女でしょ？何か違う？」
『いや、何も…』
「まだ未練があるの？なにが忘れられない？」
『だからなにもないよ…どうしたの、？』
「嘘でしょ。なんで隠し事するの」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chirua(プロフ) - らんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます；；完結まで是非よろしくお願いします︎☺︎ (9月6日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
らん - めちゃくちゃ面白いです！阿部くん最高すぎます！更新楽しみにしてます☺️ (9月2日 1時) (レス) id: 07ae00cca1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chirua | 作成日時：2023年8月30日 13時
