紅色キミサワー

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弁護士さんとコンタクトを取って聞いたのは、


刃物を持ち出したのも、


辰哉くんに握らせたのも、


刺したのも全て亮平くん自身だと証言していたとのこと。





実際現場検証が行われて、


指紋の付着場所やその瞬間の動き等から


結果事実だったそう。





殺意が無かったことから殺人罪は適用されず、


それまでのメッセージのやり取りから


脅されていたと正当防衛にも当たると


弁護士さんが戦ってくれたおかげで


不起訴となった。




真実を初めて知った時は膝から泣き崩れ落ちた。





孤独なまま大きくなっていくお腹と


不安と心配を同時に抱えながら出産をして、


すぐの時だったからよりいっそう。





産まれて来てくれてから


毎月彼に送る画像だけのメッセージ。



大きくなるにつれてポーズまで撮ってくれるようになって、


今では撮ってと連呼してくるくらい。







「…ちーはパパに会っちゃダメなの？」







パパに写真を送っているとは伝えてあって、


1度だけ弁護士さん通しで抱っこしてもらった事はあるけど


1歳になる前。



保育園で肩車や高い高いして貰えてる友達を


羨ましそうに見ているとは聞いていたけど、


聞かれたのは初めて。









会っちゃダメじゃないよ。


じゃあなんで会えないの。









その会話の後に返す言葉が分からなくて


昨日相談したらお店来なと言われた。



不起訴で済んだのだから彼に犯歴は無いし、


今も仕事をして養育費は都度払ってくれている。



この子は父親に会いたがってるし、


私も会わせてあげたいと思っている。



でも、私自身がどこかで彼を許せずにいる。




助けてくれたのは彼のはずなのに。







『浮気を親友に止められたのに辞めず、挙句にその親友は自ら……』







正直彼らの間に


何があってこうなったのか詳しくは知らない。



亮平くんがいかに私を傷つけずに


辰哉くんから引き離すかが上手く出来なかった結果。


と解釈はしている。

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