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自分家の近くでタクシーを拾う事なんて滅多にない
亮平くんの家の住所を覚えたわけじゃない
それでも1秒でも早く戻りたくて、
近くの建物目印に必死に目的地を伝えた。
ここ1ヶ月の見慣れた景色が戻ってきて、
ここまで帰ってこられたことに安堵と焦り。
"今どこにいるの"
道中送ったメッセージに反応は返って来るはずなどなく
覚悟を決めてドアを引くと、
施錠がされておらず呆気なく開く。
視線を落とした先に2足の靴
亮平くんのと、辰哉くんの。
動悸がして立ち尽くしていると
奥から聞こえてくるふたりの声。
「ふっかは変わったね」
「告んなかったのは阿部ちゃんの方だよ、俺悪くねぇよ」
「そこを問いつめてる訳じゃない事、理解してないの?」
「大切にしてる」
「どこがだよ!?Aが気が付いてないのを良い事に!!」
「やべえって……落ち着いてよ」
「俺は忠告した、辞めないなら奪うよって。でも変えれなかった。ふっかを好きって言う事実は!」
「…」
「変えれなかったよ……」
ガタガタンッ
大きな物音に、
いよいよ只事じゃなくなってしまったと
危険を承知でリビングに向かう。
最悪な事態を覚悟して視線を向けると、
そこには横たわる彼と穢れたナイフを持つ…
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chirua(プロフ) - らんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます;;完結まで是非よろしくお願いします︎☺︎ (9月6日 16時) (レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
らん - めちゃくちゃ面白いです!阿部くん最高すぎます!更新楽しみにしてます☺️ (9月2日 1時) (レス) id: 07ae00cca1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chirua | 作成日時:2023年8月30日 13時