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机には昨日のレシートと残りのお金が広げてあった。
「残金と金額合わないけどどうしたの？」
『…タクシーで帰ってきたんだけど、早く家に入りたくてお釣り貰わなかった』
「なんで家の前まで送ってもらってるの？」
『歩くのしんどくて』
「お腹でも痛かったの？」
『うん、そう、お腹痛かったの』
まさか目覚めからこうなるとは予想していなくて、
事前に考えていた言い訳は私の脳内で葬り去られた。
「今まで1円もズレなかったAがね」
『ごめんなさい、でも本当だから』
「もっとここに居たいってこと？」
『本当…のことだよ、』
「そんなに従う生活嫌だ？」
そうしてる自覚があるんだかないんだか、
その単語の後に鼻で笑った。
『嫌っていうか…なんで亮平くんはこんな事するの』
「……好きだからだよ、俺のものにしたいの」
『ありがとうとでも言うべきかもしれないけど…でもそれはもう、大学の時に終わったことでしょ？』
この時初めて、亮平くんが悲愴な顔付きに変わった。
強く言い返されることを覚悟していた私にとっては
思いもよらない事で、目を見開いた。
「どうしてAはさ、ふっかの行動に気が付かないの」
行動……？
彼はずっと彼のままで、
変わったと言えば関係性だけ。
気遣ってくれる所も私を優先してくれる所も、
優しい顔も綺麗な手もピアスも声も、
何も変わってない。
「あんな事なら、譲らなきゃ良かった」
'あんな事' ……？
『行動とか譲るとかどういうこと、？』
「ふっかの所には返'せ'ない」
『えっ？』
机のお金やレシートやらを乱雑に纏めて鞄に仕舞うと、
目の前まで来て一言
「嘘ついたから2ヶ月に延長ね？」
笑顔でそう言い残して部屋へと消えていった。
ここまで頑張った1ヶ月はなんだったのか、
そもそもどの嘘がバレたのか、
2ヶ月目もここにいて辰哉くんには会えないのか。
そんな絶望感と、
亮平くんが残した"あんな事"という言葉が
喉の奥になにか詰まったような
違和感と疑念として渦巻いた。
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chirua(プロフ) - らんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます；；完結まで是非よろしくお願いします︎☺︎ (9月6日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
らん - めちゃくちゃ面白いです！阿部くん最高すぎます！更新楽しみにしてます☺️ (9月2日 1時) (レス) id: 07ae00cca1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chirua | 作成日時：2023年8月30日 13時
