- ページ12
-
やっと15日が経った頃、注意されていた出来事が起きた
昼下がりの平日、いつものように家事をしながら
過ごしていたところにひとつのチャイム音。
勝手に光るドアホンのモニターに写し出されていたのは
2人の男性で、服装からするに警察だった。
勢いで通話のボタンを押しかけていた手を引いて
ひたすらに静かにそのふたりがいなくなるのを待った。
居なくなったのを見計らって窓から様子を伺うと、
しばらく周りに滞在したあとパトカーへと戻って
通りの方向へと消えていった。
別に私が何か悪いことをしたわけじゃないし、
むしろ助けてもらいたい側にいるはずなのに
その存在がとても不気味に思えて手が震えた。
"さっき警察の人が家に来た"
"居留守できた？"
"うん"
"なら大丈夫だよ、今日はゆっくりしててね"
亮平くんとのメッセージのやり取りに
どこか胸騒ぎがしている私がいるのは一体何故なのか。
6日を過ぎ時あたりに恋人らしいことをしてない
と言い始めた彼の命令で、
毎朝行ってきますのハグをする事になった。
そのハグをする度に頭を2回ポンポンするのが
どうしても辰哉くんに重なってしまって、
毎朝目を見ることができなかった。
「行ってきます、今日もお願いね」
『…行ってらっしゃい』
「うん」
しかし今日、そのポンポンが無かった。
その時はなんもと思っていなかったが、
その日に限って警察がやって来た為
なにかのヒントを預けられているような感覚に陥る。
2週間が経ち、
残り半分となった今状況が変わることに恐れ戦いていた。
「警察のことだけど、ふっかがなにか勘づいたのかも」
『なにか…って？』
「俺が連れ込んでるんじゃないかとか？」
帰ってきた亮平くんの開口一番の言葉に心が揺らぐ。
辰哉くんに危害が行くまいと思っていたけど、
そのまま亮平くんを疑い続けて
私を見つけてくれればいいのに。そう思った。
大学で仲良くしてくれていた彼はもう居ないのだから。
「まさかと思うけど連絡取ってないよね？」
『取れるわけないじゃん。亮平くんが監視してるんだもん』
「俺のパソコンLINE繋がってるし、コソコソすれば電話もできるよ」
『……辰哉くんに危害が行くくらいなら耐える』
「俺が悪者みたいだね？」
『亮平くんは今犯罪者だよ』
睨みつけた彼の目には相変わらず光がなくて、
私の睨みすら効かないくらい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chirua(プロフ) - らんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます；；完結まで是非よろしくお願いします︎☺︎ (9月6日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
らん - めちゃくちゃ面白いです！阿部くん最高すぎます！更新楽しみにしてます☺️ (9月2日 1時) (レス) id: 07ae00cca1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chirua | 作成日時：2023年8月30日 13時
