- ページ7
-
『モンブラン…』
「あー!うまいなぁ!」
大人気ねぇぞ向井〜といじりの野次が飛んでくる。
総務部長が総務部のみんなにとケーキを買ってきてくれた。
部長命令で私達新人が
先に選んでいい事になったのだけれど、
まさかのふたりでモンブラン被り。
すべて各一だった為じゃんけんして玉砕した。
『ロールケーキだって美味しいです』
「秋限定のモンブラン美味いなあ〜」
『深澤さん召喚しますよ』
「いやごめんて、それはあかん」
半年近く経って段々と馴染んできた部署内で
毎日楽しく過ごしている。
時々くる深澤さんからのLINEも込で。
挙げ句の果てに
"今週予定ある?もしなかったら買い物付き合って❗わら"
と、LINEが来たのは昨日の話。
小一時間頭を抱えてどうしたものかと思考を巡らせた。
そのまま返信そっちのけで服を選び始めた私は
随分と嘘つきなのかもしれない。
好きではないと康二くんに話したはずなのに、
どの面下げて会いに行けば……。
だからこそ大好きなモンブランも取られたからと
落ち込むこともなかった。
何着ていこう。
161人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:chirua | 作成日時:2023年3月1日 17時