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後から康二くんに

「ふっかさんあー見えて優柔不断やから
俺から幸せのお裾分け！という名のプロポーズ協力大作戦やな。
ま、有り難く受け取って」

と、いつぞやにも渡されたたこ焼きのパンと共に受け取った。

「おめでと」

「わざわざ言いに来たのか！かあいーなあ！」

「やめろじじい」

辰哉くんに頭をワシャワシャされながら

必死に振り払おうとしているのは、

家までお祝いを言いに来た翔太さん。

玄関先から上がってこないものだから

ふたりでお出迎えに行った。

「あんたも気がついて良かったよ」

『気付く…？』

「彼氏の親如きに屈するのが馬鹿だってこと」

『ばっ、！？』

「こーら翔太、それはさすがに怒るよ」

「……この人、あんたが思ってるよりずっと一途だから
ちゃんと向きあってやれって言ってんの」

恥ずかしくなると赤らんで目を逸らすのは

辰哉くんとまるっきり一緒で、言い終わるやいなや

手に持っていたものをトトロのカンタみたいに、

ん。と言って差し出してきた。

「実家から預かってきたから。後伝言」

「親父たちから？」

「謝罪込みでお祝いもしたいので今度うちに来てください。
だってよ、じゃあなバカップル」

毒舌健在な翔太さんが

そそくさと帰宅して行ったあと中身を改めると、

「え！コーヒーメーカー！」

あまりにも高くて手が出せていなかったコーヒーメーカーと、

紫ベースで作られたフラワーBOX、

細長な封筒にペア宿泊券まで入っていた。

『辰哉くん、柄にもなくねだったの…？』

少しおふざけ半分で尋ねてみると、

翔太さんにしか話していないと一言。

「まさか翔太あいつ、実家からって嘘じゃん」

翔太の事だからな〜と

わざわざ確認はしなかった辰哉くんだけれど、

完全なミスなのか領収書まで入っていたので

ほぼ確定になった。

その後寝室の棚には

翔太さんとの大人になってからのツーショットが飾られていて、

スマホで保存できる時代でわざわざ現像する

兄弟の仲の良さに感服した。