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入学式、卒業式以外の行事は

"長男の為"には父親は一切出席しなかったそう。

母親もCAの為、海外にいて不在の場合は未出席で

お手伝いさんが親代わり。

中学受験で高レベルの中学に入学するも、

エレベーター式で中学に行った翔太さんには程及ばず。

自分は塾へ通い、弟は家庭教師。

自分の入ったバスケ部と同じ部活を強制された弟と

試合で戦わなければなら無いときも応援は弟側。

バスケに関しては深澤さんの方が何枚も上手だったものの、

翔太さんの高校受験で更に差は広がり、

大学に至っては比べるには程遠かった。

大学院に行ってもいいと言われる弟と

良い所に就職しろと言われる兄。

「だから大学卒業前に家出ようとしたんだけどさ、
父親にバレて。ここに住めって強制」

『でも…強制されて住むにはちょっと、なんていうか……』

「ん、無駄にひれぇしたけぇね」

俺も思うわ、と軽く笑ってみせる深澤さんに

うまく聞けずに吃っていると

「俺が出来損ないだから悪さしないようにだ、って言われた。
やべーよ、ウチの親」

空になったコップを持って次何飲む？とキッチンまで行く

彼を追い掛けて、手伝いますと横に立った。

私が好きで家に置かせてもらっていたフルーツティーが

まだ残っていて、深澤さんにも確認して2本取り出す。

「長男だからって親父の苗字にさせられたんだけどさ、
それで何かやらかされたら余計に目立つじゃん。
だから毎月の仕送りと家賃は親持ち。金銭的な束縛」

『あ…だから色々、プレゼントとか……ですか？』

「正直自分で稼いだ分は貯金回すしかねぇなって思ったし、
どうせなら好きな子に尽くしたいと思って……クセェなこれ」