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素直な感情ページ4

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あの時から彼の姿が頭から離れなくなってしまった。

会釈に対して手を振ってくれたことが嬉しくて仕方なかった。

勘違いしやすい体質だからと言うのは

毎度の事重々承知ではある。あるんだけど…

『はぁ…』

「お嬢さんどうなされました？」

『え？……あ、いや…すみません独り言です』

「いやため息…」

康二くんに連れられて行ったとき以来会ってはいない。

それでも脳裏に焼き付いた彼の笑顔が離れない。

一目惚れってこういう事なのかな…？いやでもそんな……

「あ、ふっかさん」

『！』

その名前に肩が跳ねて、出入り口を勢い良く見る。

「おらんよ」

『………』

「へー、やっぱそうなんや」

年上に釜かけられてまんまとはまり、康二くんを凝視した。

「好きなん？」

『……』

「一目惚れ？」

『……』

「ごめんて」

どストレートに心の内を探られて不貞腐れたのと、

自分の気持ちすらよく分からずに拗ねた顔を見せた。

そもそも私は康二くんに見破られるほど

分かりやすく反応していたのだろうか。

それに仕事を覚えている途中。

人間関係に現を抜かしている場合ではない。

頭の中を吹っ切れさせたくて、

先輩から頼まれていた様式作りを無言のまま進める。