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バレンタインも、ひなまつりもホワイトデーも、

エイプリルフールも全部彼との思い出に染まっていった。

純粋に楽しかったし嬉しかった。

異性といて心が満たされる感覚を初めて味わえて幸せだった。

5月の深澤さんの誕生日が迫ってきて

何かプレゼントをと思っていたけれど、

きっと私が渡せるものは既に持っているはずのものしかなく断念。

不本意ながらも本人に希望を聞き、

結果的に私も5月が誕生日ということで

二人でカフェを巡ることになりその下見をしていた時。

「父親は俺の為に学習発表とか運動会とか、
卒業式にすら来なかった。唯一来たの小学校の入学式だけ」

『やっぱり警察官って忙しいんですね』

「どーなんだろ。弟のは全部行ってたし、」

『お母さんは？』

「小さい頃は英語教えられてた記憶しかないな」

『え、深澤さん英語話せるんですか？』

「中学生でもわかるようなのしか無理よ。
母親に匙投げられてそれっきり」

『深澤さんらしいです。とってもスマートですし』

歩道を歩き話しながら今とってくれた行動をふりかえると、

深澤さんが車道側に移り、

正面から来た自転車を避けるように手を引いてれ、

私の歩幅に調節しながらあるく。

あっさりこなしてる人を今まで見たことない。

「俺スタイルいい方だよ、てかいいよ」

『そっちのスマートじゃないです』

たまに抜けてるところも謙遜しないところも結構好き。

デートを重ねる内に自然手を繋げるようになった。

自分も素で話せるようになってとっても気持ちが軽かった。