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年明け1月は出勤日ほぼ毎日

康二くんの惚気話を右から左へとひたすら受け流した。

正直私は心臓に悪いからあまり思い出したくない。

と言うのも、次の日目覚めた深澤さんの第一声は、

俺…記憶ない...だったから。

ど直球に私に抱き着いてましたと伝えると、

「うわ、俺触れ合った記憶ないんだ……どこまでやらかした？」

『ぎゅーとちゅーです』

言い方に下品さを覚え、酔っていたときのマネをして伝えると

更に頭を抱えてしまっていた。

「ふっかさんになんもされへんかった？」

『なんですか藪から棒に』

「俺と飲み行くと、帰る時間にはキス魔なってるから」

『キス魔……ですか、？』

キス魔と言う割には…と少しだけ残念な気持ちになるけど、

何考えているんだと冷静さを取り戻す。

ニヤニヤしながらも、

未だよくわからない深澤さんの事を色々教えてくれる

康二くんには感謝しかない。

「これ……内緒にしてな、？ふっかさんの卒アル、
こっそり撮ってきてん」

突如康二くんから見せられた写真には学生の頃の姿が。

この容姿じゃ大層モテたんだろうな、

『わ……これ高校のですか？』

「せやで。ここに学校名乗ってる、見切れてるけど」

よく見るとそれは有名な私立の名門校で、

意外な頭の良さに度肝を抜かれると共にご両親の職業が頭を過る。

自分との釣り合わなさに少しだけ気分が沈む。

「ふっかさんも凄いけど、
弟さんはもっとレベル高いとこやったって」

『弟さんも……』

ふと小さい頃のふたりの写真を思い出す。

兄弟の割にはあんまり似てなくて、でもどこか雰囲気はあった。

深澤さんは家族の話をする時、

どことなく遠くを見つめるような仕草をして、

話し終わると決まってぱっとしない表情をする。

もしかして過去に金持ちという理由で

女に纏わりつかれたトラウマがあるから

あまり話したくないんじゃ。

でも交際の申込みはあちらからであったはず。

家族の事人に話したくない？

でも康二くんには結構話してるみたいだし……