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付き合い始めて一ヶ月。デート2回。
プレゼントされた品数7個。
どう考えても手取りと釣り合わない
優遇のされ方に戸惑って康二くんに質問した。
親友って言ってたくせに
全然深澤さんの事分かってなかったけど。
「…そういや、ご飯行ったとき毎回奢ってくれるなぁ、?」
「家オートロックやったし……ほんまに収入源なぞやな」
『康二くんのお陰で謎がより深まっちゃいましたよ…
もういいです……』
プレゼントはもちろん嬉しいけど、
気を使わせているのではないかと毎度気が気ではない。
彼氏いない歴=(実質)年齢。(だった。)
男のことが全く持って分からない。
Excelみたいに関数入れたら
答え出てくるような仕組みにならないの……?
その日の帰り。
『お疲れ様でしたー』
もやもやしながらエレベーターに乗れば
途中で止まって開く扉。
もしやと思えば深澤さんがひとり立っていた。
「おつかれ〜」
『お疲れ様です……』
笑顔でへなへなと手を振りながら乗ってくると、
狭いエレベーターの中に広がる香水の香り。
やっぱり深澤さんがつけてる香水すきだな……
さっきまで考えていた事が香水に紛れて
あっと言う間に吹っ飛んでいく。
斜め前にいる背中を見つめていると、くるっと振り返る。
「Aちゃん、今週末家来ない?」
『うち……えっ、お家ですかっ!!?』
「そーよ、一緒にゲームしない?」
『し、したいです…!』
……えっ、もうお家デート?
毎度冷静になるとわからなくなる陽キャの思考回路。
お家に行くといいことは
下着もちゃんと決めなきゃだめなのかと
頭の中で小さな私がじたばた暴れまくっている。
すべてどストレートにしか考えられないからこそ、
何事も都合よく又は酷く悪く捉えてしまうことがある。
そんな自分をそこまで気にしていなかった、今までは。
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作者名:chirua | 作成日時:2023年3月1日 17時