甘い恋の魔法箱（２） (ページ6)

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「冬休み終わったと思ったらすぐ休みになっちゃうね」

『あと1週間行ったら次会うの卒業式……』

もうここで話すこともないだろうと

フードコートで肩を並べる

「会おうね、休み中」

『ゆりりん引越し準備あるのに大丈夫、？』

「もう半分終わってるし、後悔したくないからね」

高校三年生は入学への準備や就職への準備の為、

2月からは自由登校。

クラス全員がまた完璧に集まるのは最後の卒業式のみ。

ゆりりんは学校近くのアパートに引っ越しちゃうし、

上田くんも隣の県に。

目黒くんは今の自宅から通うらしく、私は短大の寮から。

「真面目にさ、目黒くんのことどうするの」

『卒業までには…けりつけようかと』

「告るの？」

『そのつもりなんだけど……』

なんせ明日の登校で休みが訪れるわけで、

自由登校と言えど自分この日に登校します！なんて

言い残して休みに入る人なんて居ないわけだから、

自由登校期間中に学校に来れば蓮くんがいるわけじゃない

つまりチャンスは明日か卒業式当日のみ。

だけれど

『卒業式当日告白するどころか、捕まえるのさえ難しそう』

「それはそう」

『明日あ……？』

「もう腹くくるしかないね」

『呼び出すのむず……』

「私と上田でふたりきりになるように手伝うね」

『うん……いや、手伝おうか？とかじゃないの』

「手伝うから腹括りなさいって」

その言葉に即答はできず、

ん〜でもーと唸り続けていると

ゆりりんがわかったと一言発してから

以降スマホ以外を見なくなってしまった。