甘い恋の魔法箱（２） (ページ1)

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あと3センチページ1

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夏祭りから2週間、学校再開から3日ほど。

何を遠慮しているのか、

はたまた聞くことをはばかられているのか。

ゆりりんは夏祭りの後の結果を

言ってきたり聞いてきたり一切していない。

私は聞かれたら謝ろうと思っていた為、

完全に拍子抜けしているし、

手を繋いでいる所を誰かに見られてやしないか

ヒヤヒヤしながら過ごしている。

それ以前に面接練習が思った以上に

ピリピリしていて聞いてる場合じゃないのか。

「Aはアドバイスある？」

『ちょっと怖い、かも……』

「は？」

『面接官睨んでる感じに見えるかなーって……他は満点……』

「ふはは！ガン飛ばす受験生とか最悪」

「ドヤ顔就活生も大概だろ」

「あーもー！ふたりとももう1回やる！！」

全然ピリピリしてなんてなかった

私とゆりりんと上田くんは進学、

蓮くんだけが就職なんだけれど、

他の就職組の女子が蓮くんを面接練習に引き抜こうと

最近よく周りをうろうろするようになった。

もちろん上田くんと練習したがってる本人は

テコでも動かないんだけど。

「ほんとアイツらも懲りねぇよな」

「2人に邪魔って言われたら移動するけど、邪魔じゃないらしいからここにいる」

『ふたり？』

「カップルに邪魔って言われたら立場ないか」

『カップル！？』

「はああっ！！」

私の大声にゆりりんが口を塞ぐ。

まさかこの2人

『ふたり晴れてカップルになったの！？』

「あぁあ！目黒蓮がヘマを！！」

「あれ、結莉さんから聞いてなかった？」

『なっ、なにも……！？』

「うるせえ…早く練習するぞ……」