雪男さんたちの短編集 (ページ3)

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💛 ページ3

『A！乗れ！』
「え、いきなりどうしたの」
『肩車！』
「流石のひかるも無理だったでしょ」

ニコニコ笑顔がちょっとだけ拗ねた。前もおんなじこと言われて乗ろうとしたけど、中腰からひかるが立つことができずに断念した。

『前言ったじゃん。筋トレのために仕事の合間ダンベル乗せてるって』
「いや言ったけど…」
『はい、早く乗る』

仕事の合間にダンベル乗せてるくらい私を肩車したいのか……と渋々ひかるの肩に跨る。どうせまた中腰から動けなくなるんだろうなって思ってたら、呆気なく目線が倍以上になった。

「えっえ、凄い！たかーい！」
『やっと息合ってきた』
「息……？」
『うん。はい降りて』

息合ってきたって別に組体操してるわけじゃないのに。

「ダンベル両肩に乗せてたの？」
『肩車してた』
「ダンベルを？」
『ほらこれ、だてが撮ってくれた』

ひかるくんが差し出してきたスマホを見れば、確かにそこにはふかざわくんを肩車したひかるが写っていた。

「待って？ダンベルってふかざわくんの事？てかなんでふかざわくんは軽々肩車できてるの？」
『仕事の合間なんだからふっか以外いないもん。あいつとは相性いいからいけた』

一体何の相性で、ダンベルと呼ぶんだ…？
ほかにカメラロールに入っていた動画を見ればふかざわくんを肩に乗せたままスクワットをしたり、さくまくんにいわふかのトーテムポールだ！！と叫ばれていたり、傍から見ればただカオス。

『でもふっかのお陰で筋肉痛の速達来たから助かったわ』
「ホント意味分かんない」