肆拾陸 ページ7
「てめーら、女の子囲むなんてクズだな、卑怯者!!!
その魂から治してやるよ!!!!
術式順転、生。」
瞬く間に雲のような何かが帳の中の空を覆った。
その様子は今にも嵐がやって来ると言わんばかりである。
「プギャァ…プ?」
呪霊たちは何の事だかわからず、空を見上げては首を傾げ、辺りを見回し、Aに気が付くと一斉に襲い掛かる。
しかし嵐はやってきた。
豪雨のようにクナイの形をしたものが呪霊達に降りかかる。
それは呪霊達に大量に刺さる。
Aはパチンと指を鳴らした。
すると刺さった物が起爆剤となり、その帳の中一帯を爆風で吹き飛ばした。
庵を囲んでいた呪霊約100体は伏黒Aによって鏖殺されたのだった。
「庵先輩!」
Aは直ぐ庵に駆け寄った。
庵は息はあったが意識はなかった。
Aには医療の知識などわずかしかない。
手段は使えるのかわからない反転術式となぜか知っている傷を縫う知識のみだ。
反転術式と言うのは自身にかけられたとしても、他人にかけられるかどうかは別なのだという。
この場で補助監督を呼んでも、車がある位置からここまで離れている為、結局時間がかかり、そうなると庵の命も危うくなるのだ。
Aはふぅと息を吐くと庵に手を向けた。
「大丈夫。
大丈夫だから。」
ポカポカした呪力が庵を覆い、傷はみるみるうちに塞がっていった。
Aは自身の腕力をここまで呪ったのは初めてだろう。
眠っている庵を担いでこの山を下りれるならいいのだが、彼女にはそれができない。
結局、Aは庵が目を覚ますのを待つことにした。
「…ん。」
「庵先輩!
起きましたか?」
庵はゆっくりと起き上がる。
「…呪霊は?」
「全部祓いました。
帳も解かれたんですけど…。
残念ながら私、人を持ち上げられる程腕力がないもので…。」
「それでここなのね。」
「はい…。
お恥ずかしながら…。」
「A、まだ少しふらつくから支えてもらえる?」
「はい。」
庵の身体を支えながら補助監督の待つ場所へ向かった。
車に乗り込み庵の顔色も随分良くなった
よかった、と一安心していると庵が口を開いた
「傷なくなってんだけど…アンタまさか反転術式できるの?」
「はい。
この前しょーこにやり方聞いたんで言われたとおりにやったらできました。」
「教えてくれて出来るものじゃないでしょ。
流石特級ね。」
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るきあ(プロフ) - ごめんなさい、気になった事なのですが泉華ちゃんって誰でしょうか?夢主ちゃんですかね…? (2022年3月31日 9時) (レス) @page9 id: e2065bbc2b (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - こあらさん» いえいえ!すごく助かりました。ありがとうございます。 (2022年1月9日 17時) (レス) id: fd1be6be46 (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - ページ2の8行目が直っていないです。このようなコメントに丁寧に対応していただき本当にありがとうございます😢🙏🏻 (2022年1月9日 9時) (レス) @page4 id: df8e2a19f1 (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - こあらさん» コメントありがとうございます。名前変換になっていないところも修正しますので、教えていただけると嬉しいです。 (2022年1月8日 9時) (レス) id: d9d22600a9 (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - コメント失礼します。名前が変換されてるところとされていないところがあります。上から目線のような言い方しか出来なくて本当に申し訳ありません。とっても好きな作品なので、名前固定か名前変換のどちらかに寄せた方が良いと思います。これからも更新頑張ってください (2022年1月7日 12時) (レス) @page4 id: df8e2a19f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lily | 作成日時:2021年1月19日 16時