肆拾伍 ページ6
庵の言うクズ風に言うと雑魚ではあるが、Aが望んでいた3級の術師なら五体満足で帰れる方が奇跡と言わんばかりの奴らばかりだ。
「20…40…60…80…100…200とちょっとってところか。
結構多いな。」
Aは呪霊の溜まり場をなんの躊躇もなく突っ込んでいった。
そして呪霊の一つがAに奇襲をかけようとした瞬間、指を鳴らし、一面が白銀世界となった。
瞬く間に氷像たちはバラバラと崩れ落ちていき隠れていた呪霊が驚いてゾロゾロと出てきた。
その呪霊達をAは燃やし倒していく。
戦場は地獄以上の地獄絵図だった。
「こんなものか。
にしても私は多数戦の経験は少ないのに、なんでこんなに体が動くんだ?」
そうしたAの背後から爪の長い呪霊が襲いかかる。
「殴り祓ってやろうか。
遠距離に頼りっぱなしもよくないしな。」
Aは爪で裂こうとしている呪霊の攻撃を足を1歩後ろに下げ、ひょいと避ける。
勢いに負けて襲い掛かろうとした呪霊が床に打ち付けられ、呪力を込めた強い蹴りが呪霊の頭を踏み潰した。
呪霊は祓われたがAは顔を歪めた。
その白い腕から一筋の血が流れている。
Aは木陰に座り、先程の傷を見る。
目に見えているものよりも深いのか、血はまだ止まって居ない。
「…ちょうどいいしやってみようかな、反転術式。
ひゅーってやってひょいだっけ?」
Aが家入の感覚通りに呪力を操作するとみるみるうちに傷が塞がった。
「まあこんなものかな。
感覚は掴んだし。
庵先輩の…!?」
任務地全域に張り巡らせていた呪力が何かを感知した。
庵の呪力があった辺りがざわめいている様子だ。
おそらく呪霊に囲まれたのだろう。
「もうちょっと我慢してちょーだいよ!!!!」
Aは走って庵の元へ向かった。
庵を中心に囲むように佇む呪霊は終わりが見えないほど多く、また呪霊同士で連携しているため隙きを付く様に攻撃してくる。
そのため庵の身体は傷だらけであり、果てしない攻撃のせいで、止血する暇もない。
いくら2級と言えど、この量に囲まれたらしんどいのだろう。
フラフラと立ちながらも大量の呪霊を祓う庵の視界は失血によるものなのか、普段よりひどく狭い。
こんな先輩で情けない、と思いながらも、早く来てくれと心の中で叫びながらなんとか立っていた。
「庵先輩!」
後輩の声に安心した庵はその場に倒れてしまった。
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るきあ(プロフ) - ごめんなさい、気になった事なのですが泉華ちゃんって誰でしょうか?夢主ちゃんですかね…? (2022年3月31日 9時) (レス) @page9 id: e2065bbc2b (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - こあらさん» いえいえ!すごく助かりました。ありがとうございます。 (2022年1月9日 17時) (レス) id: fd1be6be46 (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - ページ2の8行目が直っていないです。このようなコメントに丁寧に対応していただき本当にありがとうございます😢🙏🏻 (2022年1月9日 9時) (レス) @page4 id: df8e2a19f1 (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - こあらさん» コメントありがとうございます。名前変換になっていないところも修正しますので、教えていただけると嬉しいです。 (2022年1月8日 9時) (レス) id: d9d22600a9 (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - コメント失礼します。名前が変換されてるところとされていないところがあります。上から目線のような言い方しか出来なくて本当に申し訳ありません。とっても好きな作品なので、名前固定か名前変換のどちらかに寄せた方が良いと思います。これからも更新頑張ってください (2022年1月7日 12時) (レス) @page4 id: df8e2a19f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lily | 作成日時:2021年1月19日 16時