無色の子 【呪術廻戦】弐

陸拾参 ページ24

ある廃校の校門の近くに1台の車が止まった。

その校門の前には女が1人立っている。

「遅くなってしまいすみません、伏黒先輩。」

「大丈夫。

私が早く来ただけ。」

話しながら施設に入る2人。



先にスタスタと進んでいくAの背中を七海はしばらく見つめていた。

それに気付いたAはピタリと足を止めた。

「七海、どうしたの？」

「先輩、五条先輩と似てるなって思って…。

雰囲気とかなのですが…。」

「ああ。

双子だからね。

諸事情あって名字は違うけど。」

「五条先輩とご兄妹なら、苦労が多かったでしょうね。」

自分だったら嫌だと思い、顔をゆがめながら七海は言う。

「まあね。

でも兄妹って判ったのもここ一年のことだけどね。」

「そうでしたか。」

話しながら行こっか、と言うA。

五条の話になると少し顔を歪める七海を見てAは聞いた。

「七海、悟のこと嫌い？」

「嫌いではないです。

ただ…尊敬は出来ません。」

「悟、強いのに。」

「確かに強いですが、性格が尊敬できません。」

「努力家だと思うけど…。」

「それでもです。」

「まあ、倫理観のりの字もないからね。

デリカシーはないし、くずだし。

でも、悟の強さは信じてあげてね。」

「先輩の方が強いでしょう？」

「今はね。

でも悟は私より強くなるよ。」

「何故言い切れるのですか？」

「私のお兄ちゃんだから。

っと、来たね呪霊。

戦える？」

「いつでも。」

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