無色の子【呪術廻戦】

丗陸 ページ39

Aは周りの目線も気にせず公園に入りキョロキョロと人を探す。
砂場に目を向けると黒髪の男の子が遊んでいる。

「恵。」

「ねーちゃん!!」

恵はAにバッと抱きつく。

「ねーちゃんいなくてさみしかった…。」

「遅くなってごめん。
何する？」

「おしろつくる！！」

砂場でお城を作りながら話す美系の姉弟。

公園に居る人達の目の保養になったのは間違いないだろう。






「恵、幼稚園どう？」

「つまんない。」

「…何で？」

「だって、みんなきもちわるいのいるのにおそといくんだよ？」

「そうだね。
恵、その気持ち悪いのはね、悪ーいおばけなんだ。」

「わるーいおばけ？」

「そう。
皆おばけ見えてないから気にしてないの。」

「ぼくはなんでみえるの？」

「恵は悪ーいおばけ退治する力があるんだ」

「でも、ぼくつよくないよ？」

「強くなくても、勝てばいいんだ」

「つよくないと､かてないよ？」

「ねーちゃんは強くないんだ。
恵の幼稚園の先生に腕相撲で負けちゃうぐらいに。」

「そうなの？」

「そうだね。」

「でも、おとーさんが、ねーちゃんとってもつよいって。」

「そうなんだ。」

「ねーちゃんはつよいの？よわいの？」

「強いよ｡
でも弱い｡」

「どうして？」

「ねーちゃんも悪ーいやつをやっつける力がある｡
でも困ってる人皆を助けるヒーローにはなれない｡」

「なんで？」

「フツーにムリ｡｣

「ねーちゃんつよいのに｡」

「強くないよ｡｣

｢ぼく、ねーちゃんみたいにつよくなりたい｡｣

「…恵｡｣

「なに？」

「とにかく頑張る｡
自分の力に慢心しない｡
これだけ守ればねーちゃんみたいになれるよ｡」

「まんしんってなに？」

「教えない｡｣

「えぇ〜｡」

「それぐらいわからないとねーちゃんみたいになれない｡」

「むう｡」

「恵、頑張れ｡｣

「うん！」

「後、幼稚園の皆と仲良くするんだよ。」

「できるかな…。」

「恵ならできる。」

「がんばる。」





綺麗な砂のお城が出来た時遠くからカラスの鳴き声がした。

「カラスさんが鳴いてるよ。」

「もうお家に帰る時間だね。
恵、ねーちゃんと帰ろっか。」

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