150.うまく笑えない ページ20
自分がうまく笑えなくなってしまったことに気づいたのは、メンバーと合流した直後だった。
元々天涯孤独という設定なので、お墓参りをしてくるとは伝えてあるんだけど。
HS「ヒョン、、、何かあった??」
A「、、え?」
HS「いや、ヒョン笑ってるようで笑ってない気がして。気のせいならいいんだけど、、、」
意外にも1番に話しかけてきたのはハンソルで。
その口調があまりにも優しかったから、つい崩れてしまいそうな貼り付けた笑顔をキープするために、唇をキュッと噛みしめる。
A「何言ってるの、僕は大丈夫だよ」
そう、大丈夫。考えるな。あれから何度か親に謝りのメールを送っても返ってこない、電話掛けても出てくれなくても。
、、、
そのあとはまた東京でライブ。
中野サンプラザは初めてだったけど、空いた時間にちょっと寄った中野ブロードウェイはいい感じのとこだった。サブカル。
ライブといえば、これまた若干関西と雰囲気違うんだな。
メンバーにはわからないかもしれないくらいの違いだけど。
怒涛の1日を終えて、気がつけば夜になっていた。
みんなですきやき(という名のしゃぶしゃぶ。誰だよこれ計画したの、チェーン店やないか、まぁメンバーには言えないけど)を食べてホテルへ向かう。
今回は少しスタッフが奮発したとかで、1人ずつ部屋があてがわれた。
今の自分には少しキツイ。誰かといれば気を紛らわせることができたのに。
静かな空間に1人でいると、嫌でも実家のことを考えてしまう。
こんな夜は早く寝てしまうに限る。
とっととシャワー浴びて寝てしまおう。明日もあるし。
と。
コンコン
誰かの訪問を知らせる音が静かな部屋に響いた。
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作者名:ミミ | 作成日時:2017年1月6日 2時