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一瞬、時が止まったのかと思った。ああ、なんて最悪なタイミングで聞いてきたの。


「…いるよ」
「お!まじか!どんな人?」

「…笑顔が、素敵な人。見ていると面白いの。何もないところでコケたり、言い間違いをしたり。私のことをよく気にかけてくれて、とっても優しいの。」

「へえ、良いやつなんだな」
あたり前じゃない。私達の幼馴染で貴方の彼女よ?


「ごめんお待たせ!思ってたより混んでたー」
戻ってきた。ああもう、この場にいたくない、一人になりたい。

「いいよ別に。ていうかこの後どうする?どっか行くか?」
「あ、私見たい映画あるの!よかったら見に行かない?」
「俺は平気」

ちょうどいいや。ここで私は離れよう。

「私予定あるの。今日はここまででもいい?」
ごめん、と胸の前で手を合わせて謝る。

「えー来れないのー?!」
ガーンという効果音が付きそうなくらいの顔でこっちを見る。

「用事があるならしょうがないだろ」
「そうだけどー…」
私のためにそこまで落ち込んでくれるのさえも嬉しい。


「いいじゃん。せっかくのデートになるよ?」
そう言えば急に顔を真っ赤にさせて焦り始める。

「もう、やめてよっ」
ああ、可愛い。ひとつひとつの仕草も表情も行動も。その全てが愛おしい。


「お勘定は私払うからいいよ」
「いいって。お金は自分の分は置いていくから」
そう言って2人は財布から自分の分のお金を渡した。


「じゃ、私達行くね。また週末に」
「うん、また」
席から立ち鞄を手に持った2人を見送ろうとした。

そうだ私、おめでとうって言ってない。言いたくないけど、言ったほうがいいよね。


「あ、ねえ」

何?と言うように首を傾げこちらを見る。
苦しい、口が開かない。言いたくない言いたくない。言ったら全てが終わってしまう気がした。

「…おめでとう。そういえば、まだ言ってなかったと思って」

顔を見れば、少し顔を赤くして照れていた。

「うん、ありがとう!」
「ありがとな」
笑顔で言う2人は絵になる。彼女の隣にいるのは私じゃない。私じゃ相応しくない。隣にいたとしてもそれは友達であって恋人じゃない。


「ん、じゃね」
手を振りながら店を出ていく2人を見送った。







その瞬間に、涙がこぼれ落ちた。

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設定タグ:短編集 , 日常 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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山口なな(プロフ) - mizuki mさん» そんなことないです!はい!頑張りましょう! (2018年9月2日 20時) (レス) id: f939b87619 (このIDを非表示/違反報告)
mizuki m(プロフ) - 山口ななさん» いえいえいえええ!評価が1回しか付けられないのが残念です笑お互い(図々しいかな笑)更新頑張りましょ!! (2018年9月2日 9時) (レス) id: 8fa05a5006 (このIDを非表示/違反報告)
山口なな(プロフ) - mizuki mさん» 感動しますか!めっちゃ嬉しいです^^ 少しずつですが更新していきます。ありがとうございます! (2018年9月2日 2時) (レス) id: f939b87619 (このIDを非表示/違反報告)
mizuki m(プロフ) - ジュラシックワールドから飛んできました(((めちゃ感動します...。更新頑張ってください! (2018年9月2日 0時) (レス) id: 8fa05a5006 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山口なな | 作成日時:2018年8月16日 2時

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