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萎んだ声。 ページ5

「そんな深刻そうな顔しないの。あいつと別れただけなんだから」




えっ……。先輩は少し苦笑していて。どこか自分を責めるような、そんな顔。




「喧嘩したのよ。些細なことだったけどどっちも謝れなくてね。そしたら可愛げがないって言われて、プツンとね。元々、意固地になってたのよ、長く付き合ってたから」



ずっと仲がいいものだとばかり思っていた。
それだけ素敵な2人だった。
先輩達みたいな人がそんなあっけない終わり方するの?
そんなどうにもならない気持ちが頭を駆け巡る。
本当に、どうにもならないことが。





「だから、今日はパっと買い物とかしようと思って、A誘ったの」

「いいですね!行きましょう!」

「ありがと」




マスターとさよならしてからセレクトショップとかで買い物してたら、少しだけ、先輩が気が晴れた表情をしていて。
なのに……見てしまったんだ、私達は。
先輩の元彼さんと若い女性が腕を組んで歩いてる所を。
その顔は幸せそうで、輝いてて。先輩がこんなに苦しんでるのに。どうしようもなく腹が立った。
呆然としてる先輩をデパートから連れ出して、先輩が少しでもさっきのことを忘れられるようにって必死だった。



夕飯のお店に着いた時、見慣れた濃ゆい顔の人がいて少し安心した。




「ひなさん?」

「松本くん」

「ごめんなさい、ひなさんいたからつい。こんばんは、みなみさん」

「松本くん、もしよかったら、一緒に飲む?」

「連れがいるんですけど、いいですか?」


どうぞと伝えると意気揚々としながら大野さんと戻ってきた。


相変わらずのほわほわイケメンぶり。これでパイロットってほっとく人いないんだろうなぁ。





松本くんはジェットストームのパイロット。
"濃い顔だから怖がられるんです"なんていってるけどそんな感じではない。
何度も話してるから、タワーにいても松本くんの声はわかりやすい。
松本くんの連れが大野さんで安心した。
先輩の心を溶かす人だから。
そんなことを思ってる間に「飲むわよ〜」って言ってた先輩が案の定1番最初に潰れてた。
相当疲れてたのかな、もう少しで寝そう。
そういえば、大野さんと話してた時の方が哲也さんと居た時より先輩の顔が綺麗だったのは気のせいかな。

屈折。→←カコ・イマ 。



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みなみ(プロフ) - さくななさん» ちゃんなな〜〜〜〜!!! コメント有難う、とっても嬉しいです\( Ö )/ ちゃんななの作品も読みに行くね!! (2019年12月13日 9時) (レス) id: fc229d735e (このIDを非表示/違反報告)
さくなな(プロフ) - みなみちゃあああああん!! (2019年12月12日 18時) (レス) id: 02af681c89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みなみ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年11月30日 19時

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