原石病院の毎日

転倒 ページ8

慎太郎side





「こら〜！走らない！」





『はぁい！』





毎日のように院内を走り回る子供たち。





その光景を見る度に注意する看護師たち。





このやり取りはもう日常茶飯事だ。





A「ねぇ！」





「何〜？」





A「プレイルーム行ってくる！」





「今日午前中ご用事あるって言ったでしょ？」





ご用事というのは点滴のこと。





Aは点滴が大の苦手で、点滴という単語を出したら逃げ出してしまう可能性があるため、する時まで隠しておく必要がある。





後、Aは点滴の他にも、注射、レントゲン以外の検査も嫌いだ。






A「ちょっとだけぇ！」






「ちょっとだけって言ったって、Aいっつも帰ってこないじゃん」





A「今日はちゃんと帰ってくる！」





「だーめ。お部屋で大人しくしてて」





A「んんっ…行きたいぃぃ〜！」





ここからどうしてもプレイルームに行きたいAと行かせたくない俺の戦いが始まる。






「行きたくてもダメなものはダメです〜」




　
A「まだお時間あるもん！」





「あってもダメなものはダメですぅ。」


　


A「Aちゃんは大丈夫だもん…」






いやどういう理論？とついツッコミそうになるが、我慢。




　
「大丈夫じゃないから笑」





A「じゃあ明日する!!」





「明日ならプレイルーム行っても全然大丈夫よ〜」





A「違う！」
　





「違う？え？もしかして用事を明日するの？」





A「うん！明日するからぁ」





なんて無茶なことを言うんだお嬢さん…(苦笑)





「いや、無理だよ？ご用事は今日の午前中に終わらすの」





A「先生に言ったら明日できる？？」





「それは難しいんじゃない？？」





A「じゃあもぉいいもん！」





お、これは俺の勝ちでいい？笑





とホッとしたのも束の間……





「ちょっとA!!」





諦めて自分の部屋に向かっていたAが方向転換してプレイルームの方に走っていた。





ドンッ





『あっ、ごめんね💦大丈夫…？？』





Aが前見ずに走ってたからお見舞いに来ていた女性にぶつかってしまった。




A「ふえぇぇぇええん(泣)」

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