【募集企画】仮想世界戦争【#コンパス】3 (ページ36)

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125.伝えたい事は。ページ36

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「玲、ありがとう。」

泣きそうになるのを必死に抑えて、涙声になりつつも玲に感謝を伝える。

スマホをカバンにしまうと、私は急いで髪をまとめあげる。

セーラー服から普段は着ないようなアンダーシャツを身につけて、ふんわりとした上着を羽織った。

上着着ないとさすがに外に出られないんだよなぁ。
アルビノという体質はつくづく不便だ。
生まれつきの弱い肌。真っ白な髪。
どこを歩くにも目立ってしまい、すれ違う人に嫌悪の視線や、哀れみの視線を向けられる。

私はそんなに自分を卑下してないんだけどな。

肌を日の元に晒すことすら無理なのだから本当に面倒な身体だ。

そんなことを考えながら、上着の長い袖で、手の甲を覆う。

財布やスマホ、それにパソコンなどの必要そうなものを適当に荷物をまとめて、晴れた日の空の色のような蒼い色のカラーコンタクトを入れる。

少しはアルビノではなく、オッドアイに見えるだろう。
オッドアイでも充分目立つが、アルビノで哀れまれるよりは幾分マシ。

目に溜まった涙を拭って、立ち上がる。

「じゃあ、きららちゃん、そろそろ行こうか！」

いつもみたいににこやかに笑い、ちょっど家に着いた玲に手を振る。

なんかすごく高そうな車が家の前に前に止まってるよ…！？

玲相、相変わらずすごいね！？ほんと！

口には出さないが、内心驚いている私を見て玲が笑う。

つられて私も笑ってしまった。

「やっぱり柊は、笑顔が似合うわ。」

私よりも身長の高い、玲を見上げながら、ニカッと笑う。

何も言わずに笑って私の頭を玲は撫でる。

「さぁ、行きましょう。」

大人のようにスラリとしたスタイルには、いつものような学校のロファーよりも、私には高すぎるくらいのヒールの方が何倍も似合っていた。