【募集企画】仮想世界戦争【#コンパス】2 (ページ44)

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85.知らない世界ページ44

しかし、#コンパス本社へ行くと言っても永太にはそこまでの行き方が分からず、そっと隼人に本社への訪ねた。

隼人は、言わんこっちゃないといった表情で1つため息を吐くと、携帯にあるマップアプリを開き、指差しで道順の説明を始めた。

「とりあえずな、駅でここに行ったら一旦降りて、そのあと階段登ったら真っ直ぐだ。分かった？」

「うーん...何となく.......かな」

「なら、もっかい説明するぞ」

その後、何度も繰り返し繰り返し話す事により、何とか新幹線の乗り方までは覚えたが、お互いこの様な田舎ばかりにいる為、本社がある都市の地理などは全くわからなかった。

「あー･･･えっと、こっちを右に行って.....っても分からなねぇよな。ここら辺目印無いし」

「うん」

田んぼだけのこの村には建物がそこまで無いため目印を付けやすいが、見たことの無い建物ばかりのこの都市では、道も何も分からなかった。

まぁ、そこは周りの駅員や人に聞けば分かると思って何とか解決した。

次に問題なのが持ち物だ。
ハンカチティッシュ、お金は勿論、イヤホン、地図、普通の方位磁石、寒かった時の羽織、雨降った時の雨傘、外人に話しかけられた時の為の辞書、お腹すいた時のお菓子、暇な時の為の本、日記の為の小さなメモ帳、シャーペン切れた時の鉛筆、なんかの袋

.......

等々を持っていこうとしたら、隼人に即座にとめられた。「お前はどれだけ旅行記分なんだよ」と鼻で笑われたりもした。

少々ムカッときたが、改めて持ち物を振り返ると方位磁石なんて要らないし、野宿する訳でもないのに羽織なんて要らないし、辞書なんてただ重いだけだと正気に戻る。

必要最低限の物を改めて隼人と決めて、本車へ持ってく持ち物は決まった。

2人は数時間続いてかなり頭をフル回転させていて、色々と準備をしていたものだから、ついに疲れの疲れが爆発し、常に庭つけに足を放り出して縁側に寝転んだ。

その直後にウトウトと眠気もやって来て、かなりのリラックスタイムとなったその時永太の家の入口の方でバイクの音が聞こえた。

ﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛ･･･

いつもと違うバイクの音に少々驚きながら、寝転がっていた身体を起こして永太は自分の家の玄関へと目を向けると、いつも来てくれている配達員ではなく、少し堅苦しい雰囲気を放つ男の配達員であった。