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75.知り得た喜び、持つものは友 2 ページ33

「ど、どうしたのさ」


突然の事に驚いた永太は隼人にそう聞く。
すると隼人は永太の肩を大きく揺さぶりながら言った


「お前って奴は...ほんとに変に運がいいよな」

「へ?」

「いっつもだ
アイスの当たりが当たったと思ったらすぐ無くすし、カブトムシ捕りの時は浮かれてしまってカブトムシを逃がしてしまうし」

「え、ぁあうん。あれはごめん」


永太は今一理解していないような表情でそう会釈する。隼人もそれを読み取ったのか、さらに説明を付け加えた


「お前っていい事があると失敗して、いい事がパーになるってこと

これもその一つなんじゃないかって、怖くなってな。絶対、失敗した時のバッシングは酷いぜ。
実名晒されて、住所特定。それだけじゃない。

周りの近所にまで迷惑がかかっちまうからな
俺はいいけどよ」


永太は隼人にそう言われて、ハッとした。
浮かれてしまって全く気が付かなかった、本当俺は大馬鹿だ。

国の一大事を背負ってるってのにこんなに浮かれて、深くは考えないで特別に選ばれただけの優越感に浸って、周りの迷惑など考えちゃあいなかった。


「うぅ...ごめん」

「別に俺は怒っちゃいない
お前が唯苦しむだけだからな」


そう思うと、本社へ行くための多くの難関な問題が出てきた。

牛達への餌やりは?誰がやるんだ
畑と田んぼの整備は?誰がやるんだ
茶トラの美花の世話は?誰がやるんだ


一気に頭が冷えた為、やけに蝉の声がうるさく聞こえる。突然冷や汗がどっと溢れる
自然と爪をかんでしまう
不思議と寒気がしてくる


「俺は、どうすればいい?」


この感覚から逃れるため、永太は必死になって、でも落ち着いて隼人に問いかけた


「まぁ、幸い俺の仕事は#コンパスを通して行われるものだからな。#コンパスが動かなきゃ仕事がない。だからといって家でゴロゴロ怠けてると近所からの目線がうるさいからな

...
余談がすぎたかな
とりあえず、俺はお前に行って欲しいと思ってる」


その後は蝉の鳴き声が、やけに美しく聞こえるようになった。その声は頭を駆け巡り、焦りと不安を平常心に溶けさせた


「隼人.....
俺が女だったら完っ全惚れてたわ」

「惚れんなキモチワルイ
とりあえず、行くと捉えていいよな
つか、お前どこに本社があるか知ってんの?」

「メールで来るって言ってたから、そこは何とか...」

「電車は?乗ったことある?」

「ぁあー・・・」


会話はその後長く続いたが、人生で持つものは友だと改めて気付かされた。

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エミル(プロフ) - 和椛 湊 -wakaba sou-さん» 新しいページ作りましたよー (2019年8月30日 8時) (レス) id: e9fb1ee47a (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 和椛 湊 -wakaba sou-さん» 完了しました (2019年8月28日 17時) (レス) id: e9fb1ee47a (このIDを非表示/違反報告)
和椛 湊 -wakaba sou-(プロフ) - エミルさん» ありがとうございます! (2019年8月28日 17時) (レス) id: c9e2b52489 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 和椛 湊 -wakaba sou-さん» あ、了解ですそれならすぐに作りますね (2019年8月28日 17時) (レス) id: e9fb1ee47a (このIDを非表示/違反報告)
和椛 湊 -wakaba sou-(プロフ) - すみません!更新しようと思ったのですが、話数がいっぱいだったので続編ができるまで待ってます! (2019年8月28日 17時) (レス) id: c9e2b52489 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エミル x他6人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年8月11日 0時

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