【募集企画】仮想世界戦争【#コンパス】2 (ページ32)

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74.知り得た喜び 1 ページ32

イスタカ______角賭永太

#コンパスの本社から...招待が来た...？

一瞬、自分の脳内時計が固まる
状況整理が出来ておらず、何も考えてはいないのに頭は気持ちだけで一杯になった。

#コンパス本社から...え？世界を動かす#コンパス本社から？いやいや、そんな訳ないでしょう...#コンパスが自分を必要としているなんて.......いやぁ...いやいや.....

歓喜の感情が抑えきれず、永太は椅子から転げ落ち、木でできた床で激しく転げ回った。
もう先程までの暗い黒の雰囲気なんて何もない、自分には真っ黄色な幸せだけで塗りつぶされた

喜びは自分だけでは抑えきれず、外にいる牛、庭を歩く食用鶏、布団の上にいる茶トラ猫の美花にも報告した。
美花には多少ウザがられ顔をひっかかれたが、そんな事はどうでもいい。

喜びの中、永太は初めて感情は危険だと知った。

抑えきれない感情はさらに爆発し始めて、周りを巻き込んでゆく。しかしそう思っても喜びの感情はその思考を飲み込んで全てを分散させた。

もうこのままここにいても仕方が無いので、向かいの家で、親戚でもあり同級生でもある友人、隼人の家を訪ねる。

「はぁいどちら様...って永太じゃん。
つかどうしたの？そんな浮かれてさ」

隼人は永太の顔を見て思わず吹き出した。
今の自分はすごい顔をしているんだなと考えて、自分も共に噴き出した。

「いやいや、今はそんな所じゃないんだって...」

「じゃあなんでそんな所じゃないのに俺ん家まできてんのさ」

「え？あ...あぁッ！わからん」

「馬鹿かよお前」

共に笑いながら、最近どうだったとか、仕事は順調に進んでいるかとか色々会話し、昼時が過ぎるまで長く二人は共に笑った。

その中隼人は会話の節目の部分で、永太に一つ疑問を聞く。

「そう言えば、なんでお前俺ん家来たんだよ」

「あっ！そーだよそーだよ!!」

言いたかったことを忘れていた事に気づいた永太は、笑いながら隼人にこれまでの出来事を説明した。

「いやぁ...この俺が呼ばれちゃうなんて参っちゃうよなぁ」

永太は笑いながらその話をするが、隼人はそれを聞いた途端突然黙り込んでしまって、永太は何か悪いことを言ってしまったのだろうかと慌てた。

「あ、ごめん。俺何かやらかした？」

慌てて永太は隼人にそう聞くと、隼人は突然下げていた頭をこちらに向け、肩を押し倒すばかりの力で掴んできた。