72.ヒーローになる為に ページ30
「はぁ……ったく、次から次へとなんなんだよ」
俺は一旦ラウンジから抜け、ベッドへと倒れこみ、溜息をつく。
「頭がまだ追いつかねぇけど……とりあえず、やばい状況って事だよな……」
あまりにも突飛で、あまりにも現実的じゃない出来事だ。夢なんじゃないかと思ったけど、さっきほっぺをつねった時に痛みがあったから、現実なのはわかった。
「てか、なんなんだよあのまといって奴。大変な時だってのに管理者やvoidollばっか責めやがって……俺の1番大嫌いなタイプだ」
だが……あの時状況を把握するのに手一杯で止められなかった俺も俺だ。いや……そうじゃなくても、俺だったら止められることなんて出来たわけない。そんな事を思うと、更に腹が立ってくる。
「……とりあえず、本社にいかねぇとわかんねぇんだよな」
両親にも話はつけてもらってるみたいだし、問題は無いと思うが……正直、あのまといのアバター主とは会いたくない。なんか嫌な予感するから……
「でも……行動を起こさないと、何にもなんないしな……」
世界がピンチなのに指咥えて見てる事しか出来ない訳じゃない。他の人には使えないけど、俺にはコンパスが使える。だったら、行くしかない。もう過ちを繰り返さない為にも、子供の頃から憧れていたヒーローになる為にも。
決意を固め、俺はベッドから起き上がり、スマホを持って部屋から出て行き、玄関の方へと向かっていく。
「行くのか? 晶」
玄関で靴を履いていると、背後から父さんに話しかけられる。
「晶、気をつけるんだよ。ちゃんと無事で帰ってきてね」
心配そうな母さんの声を聞き、俺は振り返る事なく立ち上がる。
「危ない事じゃないし心配しなくても大丈夫だよ。それじゃ、行ってきます」
両親を安心させるようにその言葉を残し、俺は外に出て、本社へと向かっていった。
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エミル(プロフ) - 和椛 湊 -wakaba sou-さん» 新しいページ作りましたよー (2019年8月30日 8時) (レス) id: e9fb1ee47a (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 和椛 湊 -wakaba sou-さん» 完了しました (2019年8月28日 17時) (レス) id: e9fb1ee47a (このIDを非表示/違反報告)
和椛 湊 -wakaba sou-(プロフ) - エミルさん» ありがとうございます! (2019年8月28日 17時) (レス) id: c9e2b52489 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 和椛 湊 -wakaba sou-さん» あ、了解ですそれならすぐに作りますね (2019年8月28日 17時) (レス) id: e9fb1ee47a (このIDを非表示/違反報告)
和椛 湊 -wakaba sou-(プロフ) - すみません!更新しようと思ったのですが、話数がいっぱいだったので続編ができるまで待ってます! (2019年8月28日 17時) (レス) id: c9e2b52489 (このIDを非表示/違反報告)
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