【募集企画】仮想世界戦争【#コンパス】2 (ページ14)

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56.知らない内にページ14

自分が知らない内に味方はどんどん敵をなぎ倒していた。自分が知らない内に知らない味方が増えていた。

知らないから怖いとは、かなり正解な言葉なのかもしれない。

イスタカを操るトッププレイヤーの永太は探し出したイヤホンを耳につけてしばらくの間、皆の会話や様子を見ていた。
しかしマイクはonにしない。

そもそも顔を確認できず、相手が一人の人間だとも上手く認識できていないのに会話しようだなんてかなりの無謀なことだと考えた。

まぁ、もう一つの理由としてはコミュニケーションが苦手だってこともある。

しかしながら皆、通話しているのもあるが、戦闘プレイがとてつもなく上手い。こんな中に自分が放り出されたら死ぬ覚悟は作れる。

「でも...やらなきゃなぁ」

現実では弱気な声を上げ、画面上ではイスタカを武術家で俊敏に動かす。
皆がただ突っ立ってた棒人形が突然動きだした為、驚いたのか一瞬こちらに目を向けるのを感じた。

しかしティワロロ族の戦士の表情は揺るがない。
凛々しいまま、唯前を見つめている。

そしてイスタカは矢を弓にかける

相棒であるイーグルのマピアを敵中へ飛ばし、俺の戦士(ヒーロー)は空高く弓を向けた。

「畳み掛けるはワキンヤン
死を運ぶはマタンツォ」

空から降り注いだ無数の矢が、黒いウイルスを貫き溶けるように消滅させた。
一度に何匹だろうか、かなりの数を消滅させた気がする

「汚れた魂は死をもって浄化されるだろう」

自分で言うのもなんだが、
これ程までにカッコイイHSがあるだろうか？俺はイスタカの他にこんなにかっこいいHSを見た事がない。

...
まぁ今はそんな状況ではない。
ヒーロースキルを使ってしまった今、攻撃カードあるのはフルークだけだ。

大切に使わなければ....