夢を駆ける【prsk】 (ページ2)

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今日から新学期

無事進級も出来て安心…

杏と思わずハイタッチをしたあの瞬間

クラス分けされた表を4人で見ていると、私と杏と彰人は2-Aと同じクラスだった

冬弥と他クラスになっても彰人の隣は冬弥だって脳が固定しているからこの2人が他クラスになったとしても実質同クラスだね

大勢の人が集まるこの場所は混んで危ないと思いササッとその場から離れ教室に向かう私たち

すると、目の前にはうるさい昔馴染みが大きな声をあげていた

………あ、目が合った

瞬時に目をそらすと"俺は分かっているぞ！"とでも言うようにズンズンとこちらに近寄ってきた

「A！！俺たちと一緒にショーをやろう！！」

『だ！か！ら！！私はストリート１本でやっていくので！！ご遠慮願えませんか！？』

「しかし昔馴染みであるこの俺が言うんだ！！お前の歌声は寧々と相性がいい！！頼む！！」

『く…っ、助っ人でしか出ません！！』

行こっ！と杏の腕を引っ張り教室へ向かうために階段を登る

後ろからは類さんと話している司の姿が一瞬だけ見えた

パチッと類と目が合うとウインクをされ、まるで"司くんの事は任せてくれ"と言っているように

杏と彰人を連れて歩いていたらいつの間にか教室に着いていた

『わぁ……緊張する…！！』

「大丈夫大丈夫！！行こ行こ！！」

「って、おい、俺もかよ」

私と彰人の手を取り教室へ入る杏

教室のドアを開けた音に反応しこちらを向くクラスメイトたち

すると、数人が私たちを囲った

「如月さん！？！？この前やってた路上ライブ見かけちゃった！！凄いね！！」

「俺なんか1人で歌ってるはずなのに2人で歌っているように見えちまったよ…！！」

「しかもそのあとに白石と東雲たちと楽しく話してるところとか見てさ、もう俺体中熱かったわ！！」

…………予想外だ

運がよかったのか悪かったのか分からないが

神高の人たちが"あの"ライブを見ていたのだ

私が、初めて路上ライブしたあの日

私と兄が1つになったと思えたあの瞬間

吃驚して固まっていたらバシッと背中を叩かれた

杏だ

「自信持ってA！私たちだけじゃなくて彼らも私たちと同じくらい熱かったライブなんだから！」

『杏……』

「……まぁ、今のお前にあんな声が出るなんて思わなかったわ。頑張ったんだろ？」

『…彰人……。…うん、みんなありがとう！』

私はみんなに精一杯の笑顔で答えた