可愛い私の困ったチャンたち。7

4 ページ4

JK side



驚いたことが二つある。




一つは、こんな完璧美女がこの世に存在するのか？ってこと。

綺麗で、スタイルも良くて、ピアノも弾けるとかこんなのある？

もう一つは、シュガヒョンが初対面の女の人と笑顔で接して、しかも自然に目線を合わせて会話してるってこと。

無気力、塩対応、人と目を合わせるのが苦手、目立つことや騒がしい場所が苦手、滅多なことでは笑わない、シュガヒョンといえばすぐにこれらが思い浮かぶ。

なのに、だ。


今、目の前で起きていることが信じられないよ、僕。




かなりの人だかりができていたけど、どうやらシュガヒョンの正体に気づいた人はいないらしい。

ペコリと二人でギャラリーに頭を下げている姿は、さながら演奏会後のスタンディングオーベーションに応えるピアニストの様だった。

シュガヒョンはともかく、その女性もその人前に出る感じというか、大勢の人の前に立つことというか、そう言うことに慣れている感じがしたのは気のせい？

まあ、素人の僕でもわかる、あんだけピアノが上手いなら、多分ピアニストか何かなんだろうな、それで人前に立つことに慣れてるんだ、そうその時は思ってた。




握手している二人の元に駆け寄って、女の人に一応一言挨拶をする。


JK『…こんにちは』


あぁ、いつもこうだ。
僕はかなりの人見知りで、特に女性に対してこれが強く出る。

すぐにシュガヒョンの後ろに引っ込んだ僕に、女性は嫌な顔をすることもなく、すごく優しく微笑んで『こんにちは』と返してくれた。

うわぁ…近くで見るともっと綺麗だ。

こんな綺麗な人、見たことない。

テヒョイヒョンが彫刻みたいな美しさ、って言われるなら、この人はあれだ、あのー…ほら、あの童話のお姫様。

あれ、何てお話だったっけ？

彼女の特徴があまりにも童話のあのお姫様に似ていて、でもそれが思い出せずに困っていると、シュガヒョンから『おい』と声をかけられ現実に戻る。



JK『え？』

SG『見過ぎ。彼女困ってる』

『あはは…顔、何か変、ですか？』



どうやら僕、彼女の顔面をガン見してたらしい。

ん？この人、韓国人かと思ったけど違う？

少し辿々しい韓国語は、可愛いけどまだ覚えたてと言う感じだった。



旅行客かな？

その疑問はすぐにシュガヒョンが解決してくれた。



SG『旅行ですか？』

『いえ、留学です』

SG『へぇ、どこから来たんですか？』

『日本です』


本当に珍しい、シュガヒョンがこんな興味を示すなんて。

5→←3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す