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北人 side
部屋にはアイランドタイプのミニキッチンまで備え付けられていて、本格的なエスプレッソの淹れられるコーヒーメーカーまであった。
コーヒーのいい香りが充満するこの部屋、会社の一室とはいえAさんの専用部屋なんだし、もうちょっと女性らしいっていうか…もう少し、インテリアとかポップな感じなのかと思ってた。
高級感のある黒い革張りのソファにずっしりと腰を下ろしたATSUSHIさんに話を振る。
北人「何でこの部屋のインテリア、こんなにシックな感じなんすか?僕なら、ピンクとか可愛い感じの色合いの家具とか選んでたかもしれないっす」
ATSUSHI「えー、やっぱそう思う?だってよ、A?」
俺の言葉にそう言って笑ったATSUSHIさんの隣に腰を下ろしたAさんはなぜか苦笑い。
「あのね、この部屋最初はどこのディズニープリンセス?って感じなくらいファンシーな部屋だったんだよ?」
ATSUSHI「そ。だけどAが本気で嫌な顔して拒否してきたから、急遽家具の総入れ替え。いやぁ〜、あん時はホント焦ったよ」
北人「え、じゃあこの部屋のインテリアって…」
ATSUSHI「そ。みーんなAの指示。
俺とHIROさんはさ?ピンクと水色を基調にした部屋作ってたんだけどなぁ。コンセプトはサンリオのお店。
せっかく可愛い妹の可愛い部屋作ってやろうってなって気合い入れてたのになあ」
「ごめんね?だけど私、ピンクのフリフリとかレースの飾りとか、なんかこう…落ち着かないんだよね」
そう言われてみればAさんの家もこんな感じのシックなインテリアばかりだったなぁ、何て思い出しているとコンコンと部屋の扉をノックする音。
ATSUSHI「どーぞ」
部屋の主人じゃなくて、その兄が応える。
何かでも、それが普通っていうか、当たり前っていうか、日常みたいな顔してる本当の部屋の主人。
健太「失礼します、お客さまです。こちらにお通しします?」
「うん、お願い。ありがとう」
健太「…Aさん、もしかしてあのお客さまって…」
「ん?あぁー、健太もあのブランド好きだったねそう言えば。
うん、そう。その人だよ」
健太「やっぱり?!あの、あ!!あとでサインとか…」
こんな子供みたいな健太さん初めて見た。
はしゃぐ健太さんにAさんは面白そうに笑ってる。
「もらえるんじゃない?頼んでみれば?」
健太「やった!!じゃ、お通ししますね!」
そう言ってスキップする様に部屋を出ていく健太さん。
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water(プロフ) - 最近このお話を見つけて2日で読み切っちゃいました!wめちゃめちゃ好きなタイプのお話なのでリピートさせてもらいます‼️続きを楽しみにしてます(*´˘`*)♡ (2023年1月13日 16時) (レス) id: 649b8529b5 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ゆりえさん» コメントありがとうございます🙇♀️そういうコメント嬉しすぎてニヤニヤしちゃいました🤭このストーリー好きとか、リクエストあったら遠慮なくどうぞ🫡✨ (2023年1月9日 17時) (レス) @page48 id: ec092ecf0a (このIDを非表示/違反報告)
ゆりえ(プロフ) - こんばんは!更新めちゃくちゃ楽しみに待ってましたーーー!!!このお話し大好き過ぎるので、よく1から読み返していたので続きが気になりすぎていました✨また更新楽しみにしていますね☺️ (2023年1月6日 1時) (レス) id: 4382da2c62 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - anさん» とっても嬉しいコメントありがとうございます^_^!更新頑張りますので、気長にお待ちください(^^) (2022年12月23日 2時) (レス) id: ec092ecf0a (このIDを非表示/違反報告)
an(プロフ) - めーちゃくちゃ更新楽しみに待ってました⸜(๑⃙⃘'ω'๑⃙⃘)⸝更新ありがとうございます!続きも楽しみに待ってます! (2022年12月21日 14時) (レス) id: 0a24ea1d34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひな | 作成日時:2022年1月31日 14時