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『よっ!今日髪色赤にしたんだ。どう?』
「似合ってるよ」
変わってゆく俺に、いつもと変わらなく接してくれる海斗。真っ赤っかでトマトみたい。海斗はなんでも似合うね。
『先輩に染めてもらったんだけどさ、ブリーチ3回したから今日から超丁寧にトリートメントしなきゃ行けないんだよな。めんどくせぇー!』
確かにこっから見たら傷んでるかも。大事にしてね と言えば まじ大事にする と言う。しばらくすると俺の携帯に誰かからの着信。海斗がとってくれて俺の耳に当てる。
「もしもし」
海人 『もしもし、元太久しぶり』
「ああ、海人。久しぶり」
海人 『いま大丈夫?』
「うん。大丈夫、だよ」
海人 『来週東京行くことになったんだけどさ、元太の家泊まってもいい?』
「いいよ、後でママに、言っとくね」
海人 『ありがとう。....てか、大丈夫?』
「ん?」
海人 『喋り方ゆっくりだからさ、今しんどいのかなって。』
「ああ、大丈夫。ありがとう。」
そっか、じゃあ後で住所送っといて と電話が切れる。海斗が代わりに送ってくれた。後でママに言わなきゃだから、ちょっと眠いけど我慢。
『元太、今日疲れたろ。俺が元太ママに言っとくから今日は寝ていいよ。明日また来るね』
「ありがとう、そうする」
静かに目を閉じる。まぶたの裏に浮かぶAとあの大木。早く行きたいと思うけども、なかなか難しい。歯がゆい気持ちを抑える。会えるまであと何日か数えながら、眠りについた。
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作者名:夕 | 作成日時:2021年7月1日 21時