渋谷事変4 ページ4
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「ほんまはな、さっきの雑魚に使うか迷いよったんやけど」
「ッな、……(なんだ!?まさか、禪院Aがここまでなんて…!!)」
「残しといてよかったわ、そない
Aはツカツカとブーツを鳴らすと、弾き飛ばされた漏瑚の首を踏みつけて口角を下げた。
そこに映るのは怒りか、旗また憎しみか。
「このまま死にたないなら、獄門疆の開門方法を教えろ」
「なっ…!?そんなもの、教えるものか…!!」
「……せやな、君らならそう言う思たわ」
まるで果物を踏みつぶすような感覚で頭を踏みつぶしたAは冷たい目を伏せて足元でゆっくりと消えていく特級の体を見つめていた。
悟を解放する検討なら着いている、Aが次に向かうべきなのは京都にある己の生家だった。
目を覚まさない己の父を影に飲み込み、Aは立ち上がって他に重症のふたりへと歩み寄った。
意識があるのは七海で、ショックから気絶しているのは真希。
七海健人とは親しい仲だったと、Aは認識している。
京都と東京で別の学校ではあったが、姉妹校交流会では仲良くしていたし、個人的に連絡をとっていた一人でもある。
禪院真希とは、母と娘のような間柄だった。真希にどう思われていたのかはついぞ分からずじまいであったが、Aは真希を娘同然に可愛がっていた。
「健人くん」
「…Aさん」
「真希ちゃんを頼むわ、ウチは一旦京都に戻る」
「…なぜ、ですか。今この渋谷を離れてまで、なぜ…。」
「悟くんを解放する手立てが家にある、やからや。」
Aはそうとだけ言って目を細め、七海に目を落としてふっと微笑んだ。七海はそんなAの目を見て、目を見開く。
「待っ…」
「これでさよならや、健人くん」
灰原、待ってくれ。そう呟いた七海を置いてAは禪院家へ向かって歩き出した。
禪院ならば鵺に乗って居ればすぐ、たとえ己が死ぬとしても大切な人たちを守れるのあればそれで本望だから。
「ごめんなぁ、悟くん」
「一足先に、逃げさせてもろたで」
「頼むよ、灰原」
「まだ連れていかないでくれ」
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バナナプリン - めちゃくちゃ好きです…やばい動悸が…。直哉絡みなのもいいしキャラとの絡みがいちいち尊い✨🍌更新ありがとうございます!影で応援してます!🍮 (12月9日 18時) (レス) id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Strawberry | 作成日時:2023年12月6日 1時