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「__続いて、人的被害です。二級術師一名、準一級術師一名、補助監督三名…以上になります。高専に待機していた術師で五条さんや禪院さん、夜蛾学長達と別行動だった方達ですね」
Aは伊地知の口から飛び出る言葉たちに眉を寄せ、顎に手をやりながら考えていた。
Aと甚爾が来たことにより助かった忌庫番や夏油たちがいた事により助かった補助監督達。しかしそれは全員を守りきるには至らなかった。
「家入さんからの報告待ちですが、以前七海さんが遭遇した呪霊の仕業で間違いないかと。」
「この件って学生やほかの術師と共有した方がいいですかね」
「…いいや、上でとどめてもらった方がええ。呪詛師界隈に特級呪物流出の確信は与えたらアカン」
Aが呟いた言葉に、夜蛾と悟が頷いた。すると夜蛾が口元に手をやり、肘を着いた。
「捕らえた呪詛師は吐いたか?」
「口が堅い訳では無いのですが、まともじゃない要領を得ない発言が多いです。ただ件の襲撃に関して自分は取引の上命令されてやったに過ぎないとの事。」
伊地知が言うに、捕らえた呪詛師は“男か女かも分からない白髪おかっぱのガキに命令された”そうで、それ以上のことは何も知らないらしかった。
「性別不詳のオカッパ坊主のガキンチョ、心当たりは?」
「なーし」
「無いですね、適当こいてるだけじゃないですか?ただでさえ悟の術式で死にかけているのに」
「…そもそも、なんで呪霊や部外者が天元様の結界抜けられたのよ。」
「それは生徒たちが相手にした特級呪霊のせいだと思う。特殊な気配を持ってる呪霊は呪霊でも限りなく精霊に近いんじゃないかな。
葵の話だと植物に潜り込めたみたいだし、天元様の結界も植物には機能しないでしょ。」
悟の話を聞いたAは「たしかにな」と頷いて眉を寄せさせた。Aが相手にした呪霊と悟の話す呪霊は別のものだったが、確かにその気配は感じていた。
「天元様の結界は“守る”ことよりも“隠す”ことに全振りしてるところはあるからね…懐にはいられるとちょっと弱いんだろう」
悟の言葉に頷いた傑がそう言うと、他の面々もその言葉に頷いき「とにかく」と歌姫が口を開いた。
「今は学生の無事を喜びましょう」
「フム…」
「だが交流会は言わずもがな中止ですね」
「ちょっと、それは僕たちが決めることじゃないでしょ?」
「…ふふ、せやな。私らが決めることとちゃうわ。あの子らに聞いてみよや」
Aと悟が幼なじみらしく、あくどい笑みを浮かべて目を合わせた。
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バナナプリン - めちゃくちゃ好きです…やばい動悸が…。直哉絡みなのもいいしキャラとの絡みがいちいち尊い✨🍌更新ありがとうございます!影で応援してます!🍮 (12月9日 18時) (レス) id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Strawberry | 作成日時:2023年12月6日 1時