↓ ページ16
.
「今我々に必要なのは軍備再編までの時間。それには一刻も早く"マーレがパラディ島を占拠し、全ての巨人の力を収めた"という新聞の見出しが必要なのです。」
ジークの言葉にAは考えるように机から体を離し、癖のように髪の毛を触った
「…ジークさ…貴方の任期はあと一年だったわね。」
「えぇ、コルトが私の獣の能力を全て引き継げるのか、とても不安でして…」
名前を呼び間違えそうになるとジークがAを「馬鹿」
とでも言いたげに見つめ、Aは「こほん」と軽く咳払いをして言い直す
「…そうね、その命を持ってあと一年でその雪辱を晴らしたいというわけね？」
「その通りでございます。
あの忌まわしき教育、グリシャ・イェーガーの行いに終止符を打つのは…かつての息子である私でなくてはなりません」
.
.
.
ジジッ、とタバコに火をつけ、ジークとA、そしてコルトがバルコニーに出る階段を昇る。
するとジークがAを振り向き、呆れたような顔で肩をすくめる。
「…A、お前ってやつは…」
ジークにそんな目をされてAは眉間に皺を寄せながらジークの横ですん、とタバコの香りを嗅いだ。
「普段ジークさんって呼んでるんだし、…尊敬してるんだからしょうがないでしょ。それに…私のことを言う前に、コルトをダシにするのはどうかと思う」
「それは悪かったと思ってるよ」
「いえ！！素晴らしかったです
Aさんが居たとはいえ…まさかエルディア人がマーレ軍元帥に意見を通すなんて」
「私がいてもいなくてもこの人はやるわよ。…それよりもうちょっと怒りなさいよコルト」
「それでも反対が無いのはAさんのおかげでしょう？…でも、ジークさんの獣の能力は歴代のものとは全く違う
まるで話に聞く始祖の巨人だ
どうして特別なんでしょう、王家の血を引いている訳でもないのに…」
「…さぁな、結局俺が死ぬまで分からずじまいだろう
あっ、記憶を継承するお前には知られちまうかもな、俺の秘密を」
「…何大層なこと言ってるの？」
「秘密…ですか？」
「ケツの拭き方が独特なんだ、誰にも言わないでくれ」
汚いな。とでもいたげにAが眉間に皺を寄せ、こつんとブーツのかかとを鳴らした。
「ダメだ全て話せ」
「「隊長殿！」」
「マガトさん！」
洗濯にかけられていたであろうタオルをくぐってマガトが現れ、コルトとジークのふたりは敬礼をし、Aは嬉しそうに手を振った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 166人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「進撃の巨人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Strawberry(プロフ) - ポルコ推しの方にそう言っていただけると安心です…！一応原作沿いになってしまいますが最後の最後までポルコは全開で行きますのでこれからもよろしくお願いします!! (2022年1月31日 22時) (
レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
紅月夜。(プロフ) - もうすっごく面白いです、！ポルコ推しなので出てくるたびにニコニコしてます。主ちゃん、ライナーと結ばれるのかなあ、ポルコは死んじゃうのかなあと色々考えながら読んでます笑、続きが楽しみです！！ (2022年1月31日 18時) (レス) @page42 id: bd5a9d7211 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Strawberry | 作成日時：2022年1月14日 17時
