呪パロディ ページ23
じゅじゅパロ
◇
愛は時に人を呪いに変える。
現CP-0 総監補佐であり元 CP9 長官であった男、スパンダムは呪われている
時期は今から約七年ほど前の事、彼が目をかけていた女が不慮の事故で命を落としたらしい。
その日からだ、スパンダムの周りで不可解なことが起きるようになったのは。
ある時はスパンダムが海賊の小競り合いに巻き込まれそうになった日、ルッチ達CP9が救出に向かった時にはもう全てが終わっていた。
これをあの上司が？否、そんなはずはなかった。ジャブラがスパンダムの方を揺さぶる、しかし本人は怯えるだけで何も答えやしなかった。
「Aが、」
「…は？」
「あいつの、呪いだ」
スパンダムは嘘をついてはいなかった。いくらパワハラ上司と言えど自分たちに嘘をつくような人間では無いし、むしろバカ正直にものをいうタイプであると、自分たちは然と理解している。だからこそ、その言葉を信じられない、いや、信じたくなかったのだ。
ロブ・A、世界政府最強で最凶と謳われた最終兵器。そしてつい最近、ある戦いで命を落とした、ひとりの女。
「……呪われた、だと」
「お前らも見ただろう！？あの化け物を！！」
そうだ、確かに見たのだ。スパンダムに刃が向けられたその瞬間、背後から大きな影が飛び出した。そしてその影は化け猫の姿を纏い、相手海賊を一網打尽にしてしまった。
船は半壊、スパンダムだけが生き残ったその場はまさに世紀末のようであった。
「…姉さん」
「……何とか、解術しねぇと」
あいつが不憫だろう。とスパンダムにしては珍しくAを思う言葉をこぼし、ルッチ達CP9を見上げた。
「頼む、……あいつのためにも」
「ふん、ハナからあなたのためではありません」
「ッ……あぁ、助かるぜ、ルッチ、お前らも」
しゃあないのぉ、とカクが少しもの寂しげな瞳でスパンダムを見つめ、カリファも肩を竦めて頷いていた。ひとり難しい顔をしていたのは狼男のジャブラであった。
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作者名：Strawberry | 作成日時：2023年3月29日 16時
