にじゅういち ページ21
「どけどけどけぇ!!」
「どけこらぁ!!」
紅野と岩田を追う開久の集団から現れたのは黒い学ランを身にまとった三橋と伊藤、Aは疲れた何だ、という理由でその2人の少し後ろを走っていた
(こんなところで開久と1発やるのはごめんだネ)
しかしこの女、足がべらぼうに速いのも事実である。
「お前は…」
「よ、智司クン」
あたし、あの紅野とか言うやつに殴られたの忘れてないんだよねェ。とAは笑う
そしてそのまま先頭に出た
「遅せぇよA!!」
「黙っとけ三橋ィ!テメェがはえぇんだボケ!」
喧嘩しつつも走り走り、歩道橋にかかった時、なんと紅野が岩田のことを蹴り飛ばし、あろうことか開久や三橋たちの障害物にしてしまったのである
「げ、汚ねぇ」
Aは軽く舌打ちをし、身軽に岩田を避けて紅野の後を追いかける
それは三橋と伊藤も同じである
が、Aは歩道橋を登りきったところで足を止めてしまった
「おいA!!」
「……ムリだ、タクシー拾われた」
Aは眉間にこれでもかと言うほど皺を寄せながらこちらに手を振る紅野を睨みつけた
「くっそぉ…!」
三橋は急いで倒れている岩田の元へ戻り、肩を勢いよく揺すった
「おい!テメェあいつの家教えろォ!!!」
しかし岩田は「知らねぇよ」と返した
するとAが横から現れ、不機嫌を隠さずに口を開く
「知らねぇわけがねェダろ」
「ホントなんだよ…俺たちそういう関係なんだよ
お互い本名すら知らねぇんだ…」
するとしゃがみこんでいたAの頭上から声が聞こえた
「どうやら本当らしいぜ、他の奴らにも聞いたが同じことしか答えねェや」
「猛クン…」
まあ開久の男が言うならそうなのだろう、とAは岩田の胸ぐらを掴む手を外した
「なぁ、仲間に捨てられた可哀想な男だ、
助けてくれよ、二度と千葉には…」
そう言いかけた時、智司が勢いよく腹を蹴り飛ばし岩田の気を失わせた
「「…怖…」」
「これに懲りたら、もう二度とチョーシに乗るのはやめるこったな」
ケタケタと笑いながらAは気を失った男にもう一度蹴りかかった
「これ、頭バットで殴ってくれたお礼ね♡」
「「…怖ぇ…」」
本日二回目の「怖」である
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.*桜餅*.@柿の種軍団_副団長(プロフ) - 面白いです!作者様のペースで良いので更新待ってます! (2020年9月7日 18時) (レス) id: 8cd8f5d021 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 夢主と中野誠(アニメの方にしか居ない人だけど)が付き合ってる設定の小説も書いて欲しいです (2020年7月23日 7時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Strawberry | 作成日時:2020年7月22日 7時