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麦わらの疑問 ページ4



「なーA、なんでお前俺たちを助けてくれるんだ?」
「……お前”達”を助けてるつもりは無いね。私はお前に死んで欲しくないだけ」
「だーかーらー!!それを聞いてんだって〜!ゾロもそう言ってたし!ナミにだって聞けって言われたんだ!
……だってお前じいちゃん側なんだろ?なのに俺のこと庇っていいのかよ??」

Aからの冷たい目に気づいたのか、珍しくルフィが肩を縮こまらせてちょぼちょぼとそう言い出した。
Aはピク、と眉を動かしてルフィから目を逸らした。

「……あの時死のうとした私を救ったのは、お前だろう。」
「ん?…あぁ!あん時か!!」
「私は……あの時本気で死ぬつもりだったんだ。あの人の汚点になるような事はしたくなかったから」

Aはルフィの横に腰を下ろしながらそう言った。ルフィはもう慣れているのか、それを微動だにせずAの話に耳を傾ける。

「だろうなぁ、あん時のお前目が本気だったから」
「はは、…でもそれを止めたのはアンタだった。私はあんたに負けたから潔く死のうとしたのに、仮にも敵を助ける馬鹿は居ないだろ」
「だってお前、まだ大事なもんがいっぱいあっただろ?」

ニシシ、と前のように笑う麦わら帽子の男を見てAは少しだけ目を見開いた。まるであの時みたいだ、Aは肩を竦めて笑う。

「なぁ麦わら、世界政府ってのはそんなにお綺麗なものじゃない。本来なら相手に負けた時点で死ぬように教育されているんだよ。
…ルッチには死んで欲しくないから、そんなふうに言わなかったけど」

本当は、世界政府なんかやめて自由に生きて欲しい。とAはぽつぽつと呟く。

「なんだ、簡単じゃねぇか!俺がまたお前を助けてやるよ!!」
「……?」
「もう敵に回しちまったもんは仕方ないし、なんなら最後までやってやる!俺は海賊王になる男だからな!」

シシシッ、と歯を見せて笑う男にAは今度こそ毒気を抜かれたようにぽかんとしてしまった。
唖然、まさかこんな簡単に、それも過去は仲間を奪い、自身を騙した敵にこんなこと言えるなんて。

「……お人好しだな」
「よく言われる!」

なんだかおかしくなってきた、くすくすと笑うAに釣られてルフィも楽しそうに笑っていた。それを陰から見ていたナミ達一行は嘘でしょ、とつぶやくのを辞められない。

「嘘!あれがあの殺戮兵器??」
「随分な惚れ込みようだな」
「クーーッ!!悔しい!なんでルフィが!!」

5→←おーしょうがーつー



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作者名:Strawberry | 作成日時:2023年1月16日 0時

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