甘え ページ27
またサラダなんだけど何！！？？？
◇
「すまん！財布忘れちまって…」
「良いですよ、俺が出します。」
「……あぁ、ありがとう」
そんなことをここ１ヶ月ずっと続けている。俺は同僚の賭けに使われているのである
まぁ俺自身も気になるところではあるし、少し試してみるつもりだったんだが…
「(俺に財布を出させようとする素振りさえないだと…!?)」
「スパンダムさん？」
「っいや、なんでもねぇ、行こうぜ」
「えぇ、次は靴でも見ましょう」
「…おう」
AがいくらCP0の総監と言えど使える金には制限があるはずだし、こいつは金を荒使いするような男では無い、貯めていたのかと思えばそれまでだが、何より俺にも同等の給料が出ているのは知ってるはず。それに家では財布の管理だってしてるのを見られてるし、前まで会計は別だった。何かをねだることもなかったし。
「で、どうだったスパンダム？」
「…怒りもしねぇし疑問にも思ってねぇ…あれ実は俺に冷めてるとかある？」
「いやそれは無いだろ…逆に怖いな…」
Aが痺れを切らす方に賭けてた男も、Aはいつまでも俺を甘やかす方にかけた男も顔を青くさせていた。
ジャブラに対して金を返せと怒ってるのも見た事あるし、ウォーターセブンでも金使いの荒い女に金を貸しては説教をしていたらしいし…。
「…俺、そんなもんなのかな…」
「いやいや！どう考えてもお前のこと甘やかしてるだろそれ！！」
「ジャブラさんとかに聞いてみたらいいんじゃね？」
「その手があったか…！！」
同僚の言葉に頷き、俺は早速ジャブラの元へ向かった。後で2人が「ちょっとまて」と俺の事を止めるのも気にせずに。
そして着いた先、ジャブラはいま総監室にいるらしい、Aがいたら面倒だと思いつつ足音を消してドアへ近づく。
「お前、最近あの人のこと甘やかしすぎじゃねぇか？」
「…お前もそう思う？」
呆れたようなジャブラの声とそれに同意したAの言葉。それに俺はギクリと心臓を鳴らす。
やっぱり呆れられてんのか、俺？
「我らが総監殿が下っ端の財布にされてる〜って同じ下っ端共が騒いでたぞ」
「……俺もダメだとは分かってるんだが…その、……可愛くてつい…あ！！お前今鼻で笑ったな！？よく聞け！俺にも理由がある！」
ドンッ！と激しく音が鳴る。恐らくAが机を叩いた音だろう、ジャブラは黙っているようだし、Aの話を聞くつもりのようだ
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作者名：Strawberry | 作成日時：2023年1月16日 0時
