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◇
「しかもファンクフリードも居ねぇ！なんでだよ！」
「姉さんが連れていった、お前が死んだと信じさせるためにファンクフリードだけ持っていったんだろう。」
「…クソッ、大事なもん全部あの雑魚共にカッさらわれたってことかよ…」
スパンダムはガジ、と爪をかみながらそう考える。ハットリもAを探しに飛び回っているのだそうだ。
スパンダムは勢いよく起き上がり、ルッチを見る
「俺が探しに行く。」
「はぁ？お主まだ病み上がりじゃろ！」
「…いや、だがスパンダムが探した方が姉さんをおびき寄せるのにはいいかもしれない」
「……まぁそうじゃが…偽物だと思われて殺されんようにな。」
カクが最後の最後に爆弾を落としてスパンダムを見やった。カクなりにスパンダムを心配しての言葉だ、
「Aはワシらくらいなら小指で殺せるからのぉ」
「…ぇ？そんな強いの、アイツ」
「俺は生まれてこの方、勝てたことがねぇしな。」
「…やっぱやめよっかな〜、ジャブラについて来てもらお…」
肩を落としてそう言ったスパンダムを見遣り、カクは溜息をつきながら肩を竦め、ルッチはフン、と鼻を鳴らしながら長い足をスマートに組み替えた。
「姉さんはお前を間違えることはしない、俺が断言してやる」
「…ほぉ、ルッチがそう言うならそうかもしれんの」
「……信じていいのか、それ」
だがしかし”そう”ではないかと思ったのはスパンダムも一緒だ。痛む身体に鞭を打ってスパンダムは体を起こし、近くに立てかけてあった松葉杖を取った
「まだ歩ける足じゃないじゃろ！」
「リハビリすんだよ、手伝ってくれんだろ？カク、ルッチ」
「…速やかに終わらせて姉さんを探しに行け、お願いしますよ、スパンダムさん。」
ルッチの珍しく縋るような視線にスパンダムは目を見開き、おう、と深く頷いて見せた。
カクはそんなふたりを見つめながらやれやれ、と肩をすくめる。スパンダムは一度言ったら何がなんでもやるし、ルッチがそれに乗り気の時は本当に容赦がない、しかしまぁスパンダムもそれをわかった上だろうから、とカクも頷く。
「とっととAを見つけんとのぉ」
「つーか俺を月歩で運んでくれればいいんじゃね？」
「誰がオッサン抱いて空駆け回りたいんじゃ？それをするのはAくらいじゃからさっさと回復せんか」
「…お前意外と現実的だよねー、結構悲しい」
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作者名：Strawberry | 作成日時：2023年1月16日 0時
