【onepiece】俺の姉がろくでもない男と結婚した話 (ページ38)

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「ぁ」
「ん？」
「ジャブラとAじゃ、ほれ」
「……アイツら付き合ってンの？」
「いいや？ただの腐れ縁って言っとったぞ…ああいや、でも前は幼なじみって言っとったかのぉ、まぁルッチが嫉妬するくらいには仲良しじゃ」

カクがそういえばスパンダムは今度こそ分かりやすく顔を顰めた。ルッチが嫉妬するレベルということは、だ。ルッチは基本的にマウントを取りに来るタイプなので嫉妬はあまりしない。しかし嫉妬するレベルというのはもう自分でも出来ないかもしれないレベルでいちゃつかれているからだ。

確かにこちらから見る限り、ジャブラはAの腰を抱いているし、Aはジャブラに身を寄せていた。
あれが幼なじみの距離感だろうか？
しかしカクは幼い頃からAとゼロ距離で育ったので違和感は感じない。

「ワシもやるぞあれくらいなら」
「…」
「Aはプライベート危なっかしいからのぉ、特に長官関連の時は」
「……俺？」
「今日もそうじゃぞ、そのご令嬢のこと黙っとったろう？」
「え？スパンダム様、みなに伝えたとのことでは…？」

婚約者の言葉を無視し、スパンダムは顎に手をやって何を言おうか悩んでいるらしかった。
カクがそろそろ出ていきたい、と思った時にスパンダムが口を開く。

「ンなことすぐには言えねぇなぁ…アイツが俺に執着を向けなくなると思うと寒気がするからよ。少し待って女の気配を見せて、それでもあいつが引かなけりゃ存在をわからせんだよ。」
「……ホント性格悪いのぉ、あんた」
「俺、一応長官だからね？？」
「え？え？」

一人で困惑しているご令嬢を他所に、カクはため息をついて肩をすくめた。
頭の回転やら口の回転でスパンダムに勝てるやつはこの司法の島には居ないだろう。
カクは目を細めさせながらスパンダムを見やる

「(ホント、こいつのどこがいいんか全くわからん…)」
「Aが戻り次第ここへ来るように伝えろ、頼むぞ」

スパンダムはそうとだけ言ってしっし、と手を振った。報告書については何も言われないので一発OKということだろう。カクは踵を返してやっと帰れるわ、と部屋を後にした。