【onepiece】俺の姉がろくでもない男と結婚した話 (ページ37)

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「(そーいやA、前もあんな感じに落ち込んどったのぉ…)」

その時もジャブラがAを励まし(？)たらしく、次の日には元気になっているのが見られた。ただし長官の機嫌はすこぶる悪かったのだが
もうあそこは両思いみたいなもんなのだ、Aの愛は言わずもがな、実はスパンダムも絆されている。きっと何か決定的な出来事があればあの二人は無事にくっつくことだろう。

だがしかし、スパンダムは性格こそ最悪だが女がとりいるには最高の物件なのである。
父親はCP0総監、そしてスパンダムはCP9長官、そりゃ肩書きだけ見れば最高の旦那候補にもなる。
しかしまぁ基本的にそんな女たちはAに勝てない、というか勝てるわけない。
なんせAは自身が10歳の頃からスパンダムを慕っているわけだし、今だってスパンダムが1番に呼びつけるのはAだ。逆になんでくっつかないのかカクには分からない

Aだって男からの見合い話や告白されたという噂は数しれず。なんならAよりもスパンダムの方が焦るべきなのだ。Aの周りには平々凡々な男もいればルッチのような男だって居る。Aは意外と押しに弱いから弱ったところを押されればきっとそちらに倒れてしまうだろう。
スパンダムに女関連の話題が出る度にジャブラとAの親密度は上がっていくわけであるし。

報告書片手にカクは考えていた。そのまま行けば長官室、だがしかし今長官室に入ればその婚約者とやらもいて面倒くさくなることは確定だろう。

「……まぁ仕事じゃし…」

Aのためにも少しくらい様子を見てから出ていこう、とカクは長官室の扉をたたいた。

「失礼するぞ長官」
「おー、カクか」

中に入れば意外なことにスパンダムは嫌な顔ひとつせずに婚約者を受け入れていた。
あんなにケバいのがタイプだったか、とカクは頭をひねる。婚約者の方は本気でこいつが好きなのか、おかしいぞほんとに。

「……カク、Aがどこ行ったかわかるか？」
「おおそのことか、Aならジャブラと逢い引きじゃ。仲良さそうに出てったぞ」
「……チッ、またジャブラか…」
「……長官に不都合でもあったのか？」
「いいや、…ただアイツが他の男に尻尾振ってんのが不快なだけだ」

スパンダムはそこまで言ってカクの報告書に目を落とした。横の婚約者すごい顔しとるぞ、とは言わずカクは「そうか」と呟き、スパンダムの次の言葉を待った。
というかそれ、Aのこと好きなんじゃろ。ともいえずカクは暇つぶしのように窓の外を眺めた。