喧嘩 ページ39
◇
喧嘩をした。ちなみに俺は謝る気は無い、絶対にだ。そう思ってAのことを避け続けて一週間がたった頃、これまたいいタイミングでちょうど長期出張と被ったA、名残惜しそうに、というかこちらをガン見していた視線にはもちろん気づいたが見なかったことにし、更に二週間が経過した。
だからといってまさかこんなに憔悴したこいつが見られるとは。
「ごめんなさいスパンダムさん、ゆるしてください」
「…おまえ」
「あやまりますから、ゆるしてください。ごめんなさいスパンダムさん。だからもう無視しないでください」
「…おちつけって」
「ほかの女のところに行ったってもう文句なんて言いません、だから「あーもう」！」
ガシガシと頭を掻いて俺はため息をついた。それにAがビクリと肩を揺らしてまたさらに縮こまってしまった。
一体いつからこいつはこんなに自信をなくしたんだ？
少なくとも9のときは自信満々で鬱陶しい位だったというのに。
喧嘩の始まりは俺が海軍本部で女に絡まれていたのを目撃されたところ。
それから少々口論になり、ヒートアップして喧嘩になったということである。
つまりこいつには、俺から愛されているという自信が全くもって無いのだ。
「だから俺はお前にしか興味ねぇって言ってんだろ？」
「……そうは、いわれましても」
この前より随分としおらしい態度になったAが無意識か否か、俺の手を小さく握りこんだ。
「貴方に無理を言って婚約した身ですから、自信の持ちようがないと、いいますか」
「…へぇ」
「すみません、長官を信じていない訳では無いんです。」
「無理を言った自覚はあるんだな」
「っ、…はい」
でも離婚はしたくないです。とAが細い声で呟いた
誰がいまさら離婚なんかするかよ、と言える空気でもなく、俺はまた頭を引っ掻き回した。
「俺はもうお前がいなきゃ生きて行けねぇよ」
「…え？」
「俺はお前も知っての通り戦闘力はからっきしだ、この世界で生きていく上で必要な力が無いんだ。
そんな面でも俺はお前に守られねぇと生きてはいられねぇだろう。それに…お前に甘やかされてる時の心地よさまで知っちまった。…戻れる気がしねえよ」
「 …長官、は。……私を、愛していますか」
今まで聞いたこともないようなか細い声、俺はその声に若干目を見開いてからAに体を寄せた。
Aが泣きそうな顔で体を揺らす
ぎゅうとその細身な体を自身の方へ抱き寄せる
「とっくの昔から、俺にはお前だけだよ。」
そうだな、もう…ざっと20年くらい前から。
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Strawberry(プロフ) - ムムさん» ありがとうございます！そうなんですめちゃくちゃにマイナーなんですよもうパンダの嫌われ具合無くせるようなくせ強夢主が居ればいいかなってルチ姉出来ました…更新頑張ります！ (2022年10月12日 7時) (
レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
ムム(プロフ) - スパンダムは超嫌いだけどマイナーすぎるから逆に気になって読んでみたらすごい面白かったです…夢主ちゃんの愛が押し潰す勢いで重くて最高です！！！更新楽しみにしてます！！！ (2022年10月12日 5時) (レス) @page40 id: 24f0804e56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Strawberry | 作成日時：2022年9月19日 15時
